保存版にしよ、ってDVDとかBDに落として、だけど結局ほとんど観やしない、そういう映画やドラマや映像ってない?そんなの観る暇ってないんだよね実際。
土日の休みにやろうと思ってたことがまるっきり進まずに、あぁもう寝て起きたら仕事だ、ナンダヨーって思う日曜の深夜。でもなんでそう言う状況が起きるのかって考えたら、ぼくの場合この「保存版」を観る時間を取っちゃってるからだなぁと、最近気づいた。
ヘビーローテーション。一昨年この曲名でその地位を不動のものにしたAKB48が歌っていた歌詞の、最初の対象は音楽だった。音楽におけるぼくの最大のヘビーローテーションは、これはもう明らかに、Paul Simonが75年に出したグラミー賞アルバム、「Still Crazy After All These Years」だ。このブログを始めて数回目の記事に書いたと思うけど、とにかく何度聴いてももっとも心が休まり、週末寝る前には必ずかけるともいっていい、ぼくの半世紀の人生の中でもう数百回は聴いているアルバムだ。
そして映像では、わが「健康」を始め、自分が演奏したライブの中で、比較的デキがいいもの。うーん、これってかなり恥ずかしいこと?明石屋さんま状態?そういう人って多いんだろか?
それから映画とかで映像がすごいところ。全体のストーリーの出来がどうあれ、とにかく映像の凄さで、「StarWars Episode1」で若き日のダースベイダーがポッドレースに出る場面とか、「2012」で地面がのたうち、大噴火を起こす中を、車と飛行機で逃亡する場面とか、「Transformer」の一作目の最後の戦いの場面とか。
そしてドラマでは、やはり叔父のライフワーク「北の国から」の、特番化してからのシリーズ。特にハイビジョンカメラで撮られた、「'95秘密」以降の3作。ドラマの一種として捉えると、これまた恥ずかしながら、日本映画で「いま、会いにゆきます」とかその手の純愛系のもの。
これだけでもしょっちゅう観てると結構時間を取られるのに、ここに昨年、1つのドラマが加わった。去年放送されたドラマのことをいまさら書いても、観てなかった皆様にとってはホント何の役にも立たないのだけど、ぼくが昨年放送されたドラマの中では、びっくりするような視聴率を取った「家政婦のミタ」よりも、7歳にして円熟期を迎えた感のある芦田愛菜ちゃん主演のドラマよりも、もっともドラマとしてちゃんとしていて、俳優たちの演技も素晴らしかったと思う「それでも、生きてゆく」という作品だ。
去年の第3クールに放送されたこのドラマは、テーマが重かったこともあってか、視聴率は10%前後と大したことはなく、初回が一番視聴率が高いと言う、世間的には盛り上がりに欠けるものだったのだけども、「東京ラブストーリー」の坂元裕二の書き下ろし脚本と言い、盲目のピアニスト辻井伸行が初めて担当した音楽と言い、とにかくクォリティーが高かった。
主演の瑛太と、ぼくがちょっと前から注目してファンだった満島ひかりとの、被害者の兄と加害者の妹という深刻な立場で、お互いに惹かれる思いの中交わされる数々の不器用丸出しの会話。これがまた素晴らしかった。彼女自身がインタビューに答えている通り、「どんなに厳しい状態でも“人間は人間である事の可笑しさを隠せない”んだなあって(中略)、そんな小さな可笑しさが沢山散りばめられていて、絶妙」。2人とも私生活ではそれぞれ新婚なんだけど、こういう演技を観るとプロってすごいよなぁと思う。
さらに周りを固める役者たちもみな演技派だ。柄本明に風吹ジュンに小野武彦。倉科カナ--この子もいいよねぇ--もがんばっている。特に被害者の母親役の大竹しのぶは、約10分に及ぶ長台詞をやり切ったり、加害者を深く恨みながら、息子が惹かれる加害者の妹と触れ合うことで、十数年ぶりに心を開いて行くと言う複雑な役どころを、さすがの演技力で演じていた。
結局結ばれることのない主人公2人の恋、激しい場面はありながら全体として地味で、観ていて決してすっきりしない、わかりやすいクライマックスのないドラマだけに、人気は出ないだろうなぁ、でもこれぞ役者としての腕の見せ所みたいな、近年にはあまりない類の作品だった。こういうドラマを、もっと作って欲しいなぁ。
そう言えばこの坂元裕二さんが一昨年芦田愛菜ちゃんを起用して作ったドラマ「Mother」も、ぼくはリアルタイムでは観ていなかったのだけど、先月インフルエンザにかかった時だっけ?夕方4時台に再放送していたのを観てたら、とてもクォリティーの高い作品だったね。このひと、久々にその名前で観るかどうか決めるに値する脚本家だね。不遜な言い方で恐縮ですが。
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娘は相変わらず遊びまくっている。火曜日には先週も行ったディズニーランドに、また行って来たらしい。なにしろ彼女は、埼玉県民にしてはかなりなディズニーランドのヘビーローテーターで、とにかく震災のあった去年3月11日にもディズニーシーに行っており、一晩足止めされて、のちに有名になったそのキャストたちのホスピタリティーを、わが身で体験してきたTDLフリークだ。
今週は友達とみんなで、高校の制服で行って来たらしい。もう卒業したんだからそれってダメじゃん、って言ったら、3月いっぱいまではJKだからいいんだよ、4月になってからやったらコスプレになっちゃうけどね、とのこと。はぁ、なるほどね。
ピアスの穴をあけると言ってみたり、バレエによさこい踊りに、時間が空けばiPhoneのアプリをダウンロードしまくり、今日は地元の小学校の時の友達と女子会と、見ていてうらやましい生活だ。ま、確かにそれに近い数年間が、オレにもあったよなと思うと、普通の人生だともうこの先そんなにない機会だからね、がんばって遊びまくりなさいと言ってやりたくなる。
ま、結局甘いわ。おととい「アメト-ク!」の"娘デレデレ芸人"を観ていて、大いに共感するだけでなく、ある場面では涙ぐみさえしてしまったワタクシ、父親なんてそんなものですわな。多くの若き女性たちが、その父たちの気持ちを、どこまで感じているのか。
いとしい人でもできれば、そんなものはなんとなく躱してしまうことも必要だし、義父からカミさんを奪った立場としては勝手なことも言えないのだろうけども、今日まで雛人形を出しっぱなしで、ついに業を煮やした娘が生まれて初めて自ら片付けるまで放っておくと言う、せめてもの抵抗を試みる、いずれ捨てられる悲しいサダメの私でした。
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