平井堅がカバー曲を収めたアルバムシリーズ「Ken's Bar」の3枚目を発売し、そのプロモーションのために音楽番組に出まくっている。
平井堅は、考えてみれば日本の男性のボーカリストでぼくがいまだにアルバムを買い続けている、もしかしたら唯一のアーティストだ。彼が2000年、長い不遇の時期から背水の陣で出したシングル「楽園」を聴いたときに、前の会社でやっていた「わくわくRhythmパラダイス」というバンドのボーカルOと、「来たよほら、久々の大型男性R&Bボーカル」って会話をした記憶がある。
メジャーになってから、まぁそんなにめちゃめちゃ好きってわけでもないんだけど、いい曲は出してるし、こういう「Ken's Bar」みたいな企画は、今はカバー流行りで珍しくもない感じがしちゃうけど、これの1枚目が出た2003年時点では、恐らく画期的なものだったってのもあって、なんか買っちまうんだよね。
このシリーズは、楽器はアコースティックのもの--ピアノとかギターとか--を原則各曲1つだけ使い、平井堅のボーカルを前面に出して聴かせる。選曲がいいんだよね。彼のセンスが光る。先週の日テレ「Live Monster」で本人が言ってたけど、間違いない名曲と、チャレンジ曲の組み合わせで組んでいくそうで。
今回もAmazonからメールDMが来て、先週届いた上原ひろみほどはNo Timeでポチった感じではないのだけども、まぁ買っとくかと、DVDつき初回限定版を予約発注し、一昨日届いた。今回のチャレンジ曲は、長淵剛の「順子」とかブラックビスケッツの「タイミング」あたりかな。懐かしのアニメ「はじめ人間ギャートルズ」のエンディング曲だった「やつらの足音のバラード」なんかも、いいとこ突いてるよね。
また、これもこのシリーズの売り、往年の名歌手とのデュエット曲。1枚目では亡くなった坂本九の「見上げてごらん夜の星を」を、2枚目では御大美空ひばりが唄った、珍しくJazzのスタンダード「Stardust」を、いずれも生前の音源とデュエット。そしてこの3枚目では、これまた御大Roberta Flackを引っ張り出して、あの名曲「Killing Me Softly With His Song」をデュエット。77歳だって。ちゃんと声が出てるとこがすごい。
んで平井堅のデュエットと言えば、で想起してしまったのが、前にちらっと書いたけども、「ぼくらの音楽」で2009年にカバーした、呉田軽穂名義のユーミンが薬師丸ひろ子に提供した「Woman "Wの悲劇"より」だ。この曲、後に薬師丸本人とFNS歌謡祭でデュエットした映像を、昨日の「ぼくらの音楽」で放送したのだけど、その2009年にソロでカバーしたバージョンがよかったんだよね。こいつを撮ってあったDVDをわざわざ探して久々に観てみた。
てかこの曲は、ユーミンの、世に出ただけでもこれまで6百数十曲と言われる曲たちの中でも、もしかしたら1,2を争う名曲なんじゃないか?その2009年の放送では、平井堅が、周りのミュージシャンたちがこぞって、この曲は天才的な楽曲だと評していると言ってたけども、確かにね。しかも松田聖子に数々のヒット曲を提供した松本隆の作詞とのコンビだし。
メロディーが素晴らしいのもそうだし、サビの転調によって一気に開けるそこまでとまるっきり異なる情景感もそうだし、Aメロで最後終わるんだけど、その最後の2小節だけメジャーになる構成も素晴らしい。今どきのサビだけキャッチーに作ってDLをねだる粗製乱造の曲どもとは、完全に一線を画している。
法的に問題はあれ、こういう時は中国のサイトが便利だね。この曲、平井堅のソロも、薬師丸ひろ子とのデュエットも、どちらのバージョンも「优酷(YOUKU)」と言うサイトにアップされていた。よろしければ観てみてくださいませ。
で、これをユーミン自身がセルフカバーした音源が、彼女がセルフカバー曲ばかりを集めて2003年に発売したアルバム「Faces」に収録されていてですね。これを聴きたくなっちゃったのよね。
このアルバム、ユーミンのアルバムはほぼすべて持っているぼくも、実は手元に持ってなくてね。てかこれにはいきさつがあって、このアルバムは、ユーミンには常にオリジナルで新しい世界を開いてほしかった感じだったし、セルフカバーってのは彼女ならではなんだけども、聴いたことない曲はないしなぁ、ってんで、買うのを躊躇していたのね。
そしたら、確かこのアルバムでの話だったと思うんだけど、前の会社のかわいい部下C代が、結婚(1回目の)するって言うので、何が欲しい?って訊いたら、この「Faces」が欲しいと。ならあげる前に開けてコピっていい?って了解取って、だけどわずか10年ちょっと前の話だけども、当時ディスクにコピる時代じゃなかったのよね。MD全盛時代だったと思うんだけど多分。
MDは音声を圧縮しちまうので、このStudio Tacovoブースには一般にはあまり使われてなかったDAT機器を、デッキとか当時あったDAT Walkmanとか何台か持っていてですね、こいつに録音しちまった。ところがこのDAT機器たちがその後軒並み壊れまして、現在全く聴けないのね。
で、ユーミンが歌う「Woman」がどうしても聴きたくなったワタクシ、Amazonに行ってみたら、なぜかもう11年も経ってるのに、それまでの松任谷由実の全ディスコグラフィ・提供曲を網羅した小冊子が付属している初回限定版が1点だけ在庫が残っててですね。ついポチっとしてしまいましたとさ。さっき発送したってメール来たから、明日届くかな?
さてさて今日は、国立競技場のお別れセレモニーが行われたそうで。
ぼくは母校都立青山高校が国立のすぐそばにあったし、前に書いたけど小学校の時、これまでの人生で唯一のスポーツ系の代表--長距離走の、つっても小学校5年の長距離ってわずか800mなんだけど--になって、渋谷区の区大会に出てですね、渋谷区って国立で大会やるんだよね。もちろん順位は後ろから数えて1/5くらいだったけども、あの国立のピッチを走ってるんだよね。今にして思えばすごいことですよねこれ。
てなことでなじみ深いのよね、国立は。なんか景観問題で反対運動が起きてるっつーけど、世は諸行無常なのよ。京都にだってコンビニはできていく。絵画館ともそれなりにうまいことマッチしちゃう、日本の技術の粋を尽くしたカッコいい建物に生まれ変わって、50年前のブルー・インパルスに続いて、世界を驚かせてほしいものです。
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