う~~~。台風のバカヤロ~。せっかくの夏休み、前半の駒ケ根高原旅行は、荒天に見舞われ、結局10日はもう前日から、木曽駒ヶ岳の登山口、千畳敷まで上る日本で最も到達標高が高いロープウェイの運休が決まっており、何しに来たんだかわからない状況になっていた。
大体、9日の朝起きたら、前日までの灼熱地獄がウソのような30度を切る気温で、そもそも高原に行く必要があるのか?って状態。7時半に出るぞって言ってあって、まぁ8時だろうなと思っていたのが結局8時半発になり、でも関越の渋滞は富士見川越道路という地元民ならではの裏道から直接圏央道に入って避けられ、八王子ジャンクション前後で少し渋滞したくらいで中央道に入り、それからは渋滞はなく、1週間後にまた来る予定の諏訪湖SAで昼飯を食って、比較的スムーズに駒ケ根インターを降りた。
駒ケ根高原ってのは、標高800mくらいで大したことはなく、その千畳敷に上る玄関口ってことと、早太郎温泉って温泉が出ることと、その名前の由来になった「霊犬」と言われた犬、早太郎(はやたろう)が住んでいたという伝説の古刹、西暦860年創建と言われる光前寺があるくらいで、それほど避暑ってのは期待出来そうもないな、でも千畳敷は真夏でも20度に届かないと言われる、標高2,500mの高地だから、そこに行けるなら行く価値あるかな、って感じだったのね。
だけど実際に2時半くらいに--この高原はインターからほんとにすぐってところがよい--今回の宿である「二人静」という宿について車を降りてみると、まぁもともと気温が下がってるので涼しいのは当たり前として、やっぱこの緑の匂いと、どんよりと曇ってはいてもじめじめ感は少ない爽やかな空気が、いいんだよね。
あまり古い温泉街って感じではなく、その空気の中に、川が流れ吊り橋がかかり、バスターミナル--ロープウェイの山麓駅までは一般車は入れないので、ここに停めてバスで行く--周りの建物も比較的新しく、山あいの扇状地だから森中心で草原はないけども、やや人口感があるものの湖とか沼とかがあって、なんかけっこうオシャレというかきれいな高原なんだよね。
9日はその高原を2時間ほど歩いて、岩のゴロゴロした川の吊り橋を渡り、池のほとりの木の香りの濃い森の道を抜け、樹齢700年と言われる杉の大木の参道を行って光前寺にもお参りし、帰りは少し小雨が降ってきたけど特に激しいということもなく、宿まで戻ってきた。
今回の宿「二人静」は、じゃらんNetで比較的評価の高かった日本風の5階建ての宿で、休前日で2万円程度、それ以外で1万6千円程度という、我が家が通常泊まる宿よりはだいぶ高級なところなんだけど、温泉がよさそうなのと、懐石料理が美味しそうなのと、日本宿なのに部屋は3ベッドの洋室ってのがよく、なによりお盆料金とかでとんでもない価格設定をするような品のなさもなかったのが気に入って予約した。
まぁこれはいい宿でした。期待通り食事は美味しく、かなりの量が出るんだけど腹にもたれる感じもなく、仲居さんたちの教育も行き届いていて心遣いも細やか。娘も21になって、あれがダメこれがダメと食わず嫌いをすることも少なくなってきたので、こういう和食の宿にも泊まれるようになった。
さて10日は、多少期待はしていたけども、やっぱ台風の直撃を受けるその東北方向にもろ位置するこの長野県南部は、豪雨と言うほどでもないもののそれなりの雨模様で、こりゃもう屋内活動をするしかない。午前中はゆっくり宿を出て、光前寺の前にある駒ヶ岳高原美術館に行く。ここは池田万寿夫さんとかの常設展と、その他割合キュービズムとかシュールレアリズム系の特設展など、比較的ぼく好みの絵や彫刻を展示してくれていてなかなかよい。
それから福井とともにここでも名物としてたくさんの店が看板を掲げているソースかつ丼を食べ、天竜川を挟んで反対側の山を少し上ったところにある、駒ヶ根シルクミュージアムというところに行って、藍染めに挑戦。かみさんが手拭いを、娘が巾着を選び、白抜き模様を出すために、白い布に穴の開いた型紙を当てて、染料がつかないように、その部分に糊を塗っていく。
それをドライヤーやストーブで乾かし、指導員のおじさんが染料に浸けてくれて茶色っぽくなったやつを、少しずつ薄い色の水で順番に水洗いしていくと、見る見る色が変わってきて、美しい藍色になってくる。なかなかしゃれた一品ができて、 ピークになりつつある雨の中、カミさんも娘も大満足で宿まで戻ってきた。
11日も、台風は行っちまったはずなのになぜか駒ケ根高原は雨模様。駒ヶ岳どころか、晴れていれば宿から見えると言うロープウェイ駅の姿を見ることもできず。これだと本当に何しに来たのかわからないので、なんだかんだでやってみたくなって予約しておいたラフティングをやりに、高速で2インター分先にある飯田に向かう。
この旅で初めての青空も覗きだしたところで、集合場所の「湯~民」という温泉施設に着く。今回のツアーはクリークサウンドと言う会社が主催するんだけど、たくさんの会社が参入している天竜川ラフティングツアーの中で、このツアーは1日コースでいろいろ遊びながらできるし集合時間が10時と遅いこと、昼食の弁当が出ること、集合・解散場所が温泉施設なのでそのまま温泉に浸かって帰れること、それで混み混みで9,000円というリーズナブルなお値段であることが気に入って予約した。
ガイドの自称Johnnyさんは51歳で我々の同世代。息子さんがミュージシャンとしてメジャーデビューしたばかりだそうで、平日はサラリーマンをやっていると言う、なかなかファンキーなおじさんだ。
台風で小学生の子供の合宿がなくなり、急遽宿も取らずに天竜川の河口近くの街、我がジュビロの本拠地磐田からやって来たという男の子2人の4人家族、これも静岡県の菊川という町から来たカップルと、我々の計9人がお客さんで、ボートが2艘出て、ガイドは1艘に1人ずつ。この体制で、「湯~民」からワゴン車で20分ほど上流に遡って、ちょっとした講習を受けた後、雨で水かさがかなり増し、流れが激しい天竜川に乗り出していく。
講習で教わった通り、落ちないように両足の先をボートの縁の下や腰掛状の横柱の下に潜り込ませて膝を折り、縁に腰かけて号令に合わせてパドルを動かす。帰ってきてから気づいたのだけど、腿までは水着が被ってるので真っ白なままなんだけど、折って天に向けていた膝小僧だけが、晴れたり曇ったりだった割には、真っ赤に日焼けしていた。
「今日は流れが速くてドンブラコ状態だなぁ」ってことで、ほとんど漕がなくてもボートはどんどん進んでいく。ところどころの底に岩が積もった浅瀬や、川幅が狭まった場所では、海のように大きな波やうねりがあったりして、水は冷たいけどなかなかスリリングだ。途中川に浸かったり、食事の後には川岸の岩の上から淀みに飛び込んだりして遊んで、これはかなり楽しいね。
今日(12日)はまだ間に合ってないので写真がないんだけど、防水カメラで撮りまくってくれた写真は、2,3日後までにCDに焼いて郵送してくれると言う。こういうサービスもなかなかいいよね。
あっという間に下船場所に、流れが速かったこともあって予定の3時よりちょっと前に着いて、ボートをワゴンの屋根に積んで、元の「湯~民」に戻ってくる。そのまま浸かれる温泉で体を温め、さて、車に乗ってご帰還だ。帰りにまた駒ケ根を通ったけど、周りは全部晴れているのに、駒ヶ岳の上の方は雲の中で、結局この3日間一切その姿を拝めず。こりゃ近々リベンジするしかないかな?
中央道は少し渋滞が始まっていたので、遠回りだけど長野道から上信越道、関越経由で、娘に半分運転させて帰ってきた。ほぼ想定通りの10時少し前到着。娘は今日から海へ、カミさんとぼくは明日から今度はまたこの関越を下って蓼科姫木平にやってくる予定だ。でもなんだか台風は行っちゃったのに、今週後半も残念ながら、長野中部はパッとしない天気みたいなんだよね。
この時期休みの多くの方がみんな引っ掛かってるので、別に我々の誰かが雨男・雨女ってことではないんだろうけど、今年はGWも天気悪かったし、なんだかなぁ、ですな。
てことで次回は多分、姫木平・諏訪旅行記になると思います。
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