4人に減ったことと、学生時代同期の女子バンド「So What?」が1年続けたというのに刺激を受けたのもあって、このところ、ライブ前でなくても、2週に1度くらいリハを行うようになったわが「健康」。昨日もあったのだけど、レギュラー練習と、その後毎回の飲みの場でいろんなアイデアが出ることもあって、新曲や、アレンジし直しの曲やで、そこそこ変わり映えのするライブができそうになってきた。
何度か書いてるけど、次回できるかどうかは微妙なものの、そのうちの1曲で、30年ぶりに復活させたハイテンポ3連の曲があってね。30年前は使ってなかったツインペダルを使うってので、パターンもすべて作り直しして、実際やってみたらまぁ難しいんだわこれが。
「健康」の新曲やパターンを作り直した曲は、打ち込んでスコアに落とした後、スタジオの電子ドラム「V-Drums」を使って練習していく。この年末年始はこれらの3曲があったので、出かけたりしてない日には、毎日1~2時間ほど、練習を積み重ねていた。「健康」はリズム隊がマジメなんです。
ドラムセットの中で、出る音はそれほど大きくはないんだけども、見た目にも一番シカケが複雑そうで、いろんな音が出せるトリッキーなアイテムが、ハイハットだ。上下に2枚重ねたシンバル(トップとボトムって言うんだけど)をスタンドに乗せ、ペダルを踏んで(クローズね)叩けば「チッ、チッ、チッ」と音がし、踏まなければ(オープンね)2枚のシンバルがミュートされずに共鳴りして「シャー」って音がする。
叩き方も、スティックの先でトップの中心と端の間辺を叩くと短く「チ、チ、チ」と鳴り、スティックの腹でエッジを叩くともう少し大きくて長めに鳴るし、ペダルを踏む強さを微妙に変えていくと、いろんな音の表情を作ることができる。
んで、ツインペダルを使う時って、左足もバスドラムを鳴らすペダルを踏む。となると必然的にハイハットペダルから離れるため、そのままだとハイハットがオープンになってしまうので、通常はやらないうるさいパターンになってしまう。これを回避するため、通常のモノとは別の場所にハイハットをセットして、フレキシブルに曲がるスタンド的なもので繋ぐ手があるのだけど、これだとハイハットが2セット要るので金がかかるし、アマチュアで他のバンドと入れ替わり立ち替わりだと、セッティングが大変だ。
というので登場するのが、「ドロップ ハイハット クラッチ」という装置だ。
ハイハットのトップは、中心の穴の中に筒状のネジを差し、これを上下からフェルトやゴムを挟んでネジ止めし、その筒の上部に横から差し込む蝶ネジで、ハイハットスタンドの中心の棒(ロッドクランプって言うのね)を締めて固定する。この蝶ネジつきの筒状のネジを「ハイハット クラッチ」と呼ぶ。
スタンドは、外部の筒にボトムを乗せ、その真ん中を通っているロッドクランプがペダルに連動するようになっているので、これによって、ペダルの操作でトップとボトムが開いたり閉じたりするようになっている。
で、このクラッチを、トップを支える部分と蝶ネジの部分を分断し、レバー操作をすることでこの2つを切り離せるようにしたものが「ドロップ ハイハット クラッチ」だ。切り離すってことは、トップがボトムに乗った(落とした→だから「ドロップ」ね)状態になるので、ペダルから足を離しても、 もちろんきちっと踏んだ状態よりはルーズにはなってしまうものの、「シャー」っていう大きな音はしないようにできる。
このクラッチは、ペダルを強く踏むと切り離した部分が引っ掛かって繋がるようになっているので、曲の中でツインペダルを使うところではレバーを叩いて切り離し、ツインを使わないところではハイハットペダルを踏めば元に戻るということになる。
ところがね。我が家のV-Drums君のハイハットは、叩く部分はただのゴムパッドで、これと連動するペダルを操作すると、本物のハイハットみたいに出る音が変わるようにしてくれているんだけど、クラッチがついているわけではないので、この「ドロップ ハイハット クラッチ」のレバー操作の練習はできない。
今回のリバイバル曲は、ハイテンポでタダでさえ忙しいのに、このクラッチレバーの操作が頻繁に必要になるパターンにしちまったもんで、これがリハスタジオに入っていきなりやっても、全然うまくできないのですわ。
V-Drumsにも本物のハイハットに近い機構を持った、ゴムの擬似ハイハットもあるんだけど、これを使えるようにするためには、メインの音源も買い替えなければならず、そうなると十万円をはるかに越える投資になってしまう。
う~ん、と考えて、そうか、コロ卵じゃん、と。つまり本物のハイハットとハイハットスタンドを買っちまった方が安いし、いざとなったらライブにも持ってけるから、そのほうがいいじゃん、ってなりましたと。元のハイハット用のパッドは、最近ライブでは使っているSplashシンバルの音をアサインすれば、より練習しやすくなるじゃんと。はぁ、長かったねぇ既にここまで。
昔ドラムセットを持っていた時は、元の持ち主がこだわって買ったハイハットスタンド--どこのメーカーのか忘れちまったのだけど--が、使い勝手と言うか、踏んだ時の安定的な閉まり方が大変に心地よい逸品で、それ以来の買い物。だから普通なら、イケベ楽器のドラムステーションとかに行って、いろいろ試奏してみるべきだよねとも思ったのだけど、そこは30年前と違って、今はネット上に口コミ情報がいろいろと転がっている。
最近ツインペダルとかこの手のハードウェアでは、カリフォルニアのdwというメーカーが評価が高い。まずその製品から探し始めたのだけど、持ち歩くかもしれないし、そもそもV-Drumsはそんなに動かせないから設置スペースに限りがあるため、スタンドの脚部がそれぞれ2本の金属板になっているがっちりしたタイプは、2~3万円という価格帯で高いし、重いし場所も取るし、ってので候補からはずす。
dwにも廉価版のモノもあるのだけど、探すうちに、13,800円ほどで機構としては細くシンプルにできているのに、安定感があり、とにかく軽いと評判の、日本のCANOPUS(ビデオ入力ユニットとかのメーカーとは別の会社らしい)というメーカーの「CHS-1」というのを発見。なにより廉価版では通常は省略されている、3本の脚部がペダルに対して回転できる機構を持っているので、ツインペダルの左を設置しやすいというのが最大のメリット。よしこれだ、とAmazonで発注。
そしてハイハット本体は、これは以前にいくつか試奏させてもらったことがあって、その中でPaiste(パイステ)という昔は2大シンバルメーカーと呼ばれたうちの1つが作っている、ボトムのエッジが波状に加工されていて、閉じた状態でも完全に密閉されないため、音がこもらないという、Sound Edgeというタイプのものにしようと。これにもいくつかのグレードがあるのだけど、比較的高めの「2002シリーズ」のにしようと思って探してみると、新品はトップもボトムもそれぞれ18,000円くらいはする。
こりゃ高いなとヤフオクを見てみたら、2枚セットで25,800円でそこそこ美品のが出ていて、オークションとしてはちょっと高めではあるものの、これだと多分1発入札でゲットできそう。目論み通り入札0だったのを、終了直前に元値で入札してゲット。売り主の人はPaisteのシンバルだけで40枚ほどあって順次処分してるって言う個人なんだけど、どういう人なんだろう?
てことでこれをセットして、今日ちょっと叩いてみた。少し下に敷いてあるゴムマットの位置替えたりとか何じゃかんじゃ細かな位置調整で、セットするのも結構時間を食う。
本物のドラムセットと電子ドラムって、それぞれ単体で聴くとあまり感じないかもしれないけど、実は音量差がものすごいのよね。だから特にシンバル系とかを本物にしちゃうと、いくらアンプで音量上げてもバランスとれなくなっちゃうんだけど、ハイハットなら大丈夫だろうとたかをくくっていたら、意外にこれがそうでもないのね。ハイハットの音デカ!
でもまぁクラッチ以外にも、ハイハットには微妙な奏法が多く、これまではそういう練習は一切できなかったので、この環境にはかなりの満足感。
でもこうなると、今のV-Drumsを壁近くに設置していて、左ひじが壁に当たるため、ハイハットをパターンによって左手で叩いたりする練習がやりにくかったのを、これまではどうせハイハット系はまともな練習にはならないからまぁいいや、ってなってたのが、ちゃんとできちゃうようになると、なんか壁に当たらないようにずらしたいなぁなんて思っちゃう。うーむ、でもスペースないからなぁ。こりゃ新たに困った問題発生だ。
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