カミさんの社交ダンス教室通いが5週目でお休みだった今日、2人で朝から紅葉狩りに行ってきた。結局紅葉狩りと言うよりは、最後の山登りがメインイベントみたいになっちゃったんだけどね。
今年はここ数年では比較的紅葉が早いようで、事前に各種サイトで調べてみると、我が家から行きやすい群馬でも、赤城山でもう頂上からだいぶ下がったところでも散りはじめ、赤城山以北はほとんど終わってしまっている。てことで、昔子供たちがまだ小さいころ一度行った榛名湖と、そのそばの、戦国時代有名な城があった岩櫃山に行くことにした。
朝8時過ぎに起き9時ごろ出て、少し渋滞に引っかかったものの、11時半ごろには、榛名富士ロープウェイの麓駅に着いた。今日の群馬は午後の早い時間まで天気が良く、この日差しなら少し色が褪せかけの紅葉でも、かなりきれいに見えるはずだったんだけど、この榛名富士には頂上に登ってもあまりきれいな木がない。
ただ景色はなかなかすごい。今日は遠くはかすんでいたけど、高崎辺りまではよく見える。しかし標高1,300mはけっこう寒い。寒がりのかみさんはコートの下にぼくが念のために持って行った薄手のダウンを着てモコモコで、まるでゆるキャラみたいだ。
山を下りて榛名湖に移動し、ロープウェイ駅にポスターが貼ってあった地元のブランド鶏肉、「はるなコケッコー」を使った、珍しいチキンカツカレーを食べる。それから戦中に高峰三枝子が歌ってヒットしたという「湖畔の宿」って曲--全然知らなかった--がここにちなんで生まれたというので作られた、湖畔の宿記念公園と言うところへ。ここには少しきれいな木があり、竹久夢二のアトリエだったという建物のそばで、何枚か写真を撮った。
それから車で10Kmほど走って、ダム問題でもめた吾妻川の谷沿いにある、岩櫃山の登山口に行く。見るからに岩ごつごつ、南面は絶壁のこの山は、その登山道の途中に、鎌倉末期から戦国時代まで存在し、 真田幸村が幼少期を過ごしたという、幸村ファンの歴女には聖地と言ってもよい、岩櫃城という城--と言っても姫路城とか名古屋城とかから想像されるような石垣があって深い堀があって、って言うのとは違う小さなものなのだけど--がある。
築城技術的にはかなり画期的なものだったらしいこの城跡は、登山口からちょっと上ると中城(三の丸)、二の丸と辿り、割合すぐに本丸跡の碑に着く。だけどこんな山の中で、背後は絶壁を備える岩櫃山、竪堀と呼ばれる堀は守りにも攻めにも使われたと言われ、これは攻めにくかっただろうなぁ。
さてここから、事前に読んだどなたかのブログでは割合サクッと登れるかのように書いてあった岩櫃山山頂に向かう。ところがこれがけっこう大変だったんですよ。
見るからに岩だらけのこの山、尾根通りと沢通りと言う2つの道があるのだけど、城跡から行くと尾根通りを行くことになる。この尾根通りが、もう岩場はあるわ鎖場はあるは、岩際の細い道を一歩踏み外したら相当痛い目に合いそうな急斜面だったりする。
沢通りと合流する場所が6合目、ここには「天狗の蹴上岩」という巨岩があり、ここから上も鎖場あり、 切り立った岩の間の切通しありで、両手両足を使って寒いのに相当汗だくになる。
50代の老夫婦にはかなりきつい。
最後に登った頂上と思しき場所、よぉしやった、と思ったら、50mほど先にもう1つ切り立った明らかにここよりは高いピークがあり、そこが頂上で、ここは9合目らしい。しかし頂上までは、まず9合目から高さ10mほどの鎖場を降りて、頂上側をまた目分量だけど20mほど岩登りしなければならず、ここでカミさんは断念。ぼくはここまで来たら意地でもと、鎖にぶら下がって岩をよじ登る。けっこう怖い。
頂上は9合目から見て想像するほど狭くはないのだけど、反対側は数百mの断崖絶壁で、覗き込んだだけで下腹部がスースーする。
午後から雲が出てきた今日は、この時点で夕方4時くらいだったんだけど、けっこう暗くなってきた。特に断崖の間や森の中は暗くて、あまり長居すると降りるのが大変になる。てことで帰りは沢通りを、とは言えけっこう小石が転がっていて、足をガクガクにしながら、何とか数十分で降りて、近くの「岩櫃城温泉くつろぎの館」という立ち寄り温泉に向かう。
岩櫃城はさっき書いたようにいわゆる今想像される立派な城とはまったく違ったものだったはずなのに、これがまぁビックリするような、俗っぽく城に模した建物で、だけど町営の施設らしい。入浴料400円と極めてリーズナブル、温泉施設も立派で湯加減も最高、サウナも露天風呂もある。脱いでみて気づいたんだけど、シャツもパーカーも、背中が汗でびしょ濡れになっていた。
温泉でだいぶ疲れを落として、帰りはナビがいい感じに裏道を教えてくれたこともあって、関越も含めて渋滞なしでスムーズに帰ってくることができた。 途中高坂のSAでメシにする。上里の登りのSAって今リニュアル中で、メインのレストランとかみんなお休みなのね。スキー全盛時代は上里ってバスが必ず寄るSAだったけど、今はだいぶ影が薄くなっちゃってたからなぁ。過去の栄光を取り戻してほしいもんだ。
岩櫃山周りの紅葉は、何本かきれいな木はあったんだけど、なにせ日が陰っちゃったので、写真的には残念ながらイマイチ。でも秋は十分に感じられたし、この山登りはなかなかの達成感でございました。
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