今日は半年ぶりのシンバルの話。前回も書いたように、またまた大変にオタッキーな内容になることが予想されるので、2週連続、興味ない方はスルーしてくださいませ。
今年の6月に2枚のシンバルを買い、以前から使っていたエフェクトシンバルと併せてCrash系5枚が揃って、去年買ったHi-Hatとともに、ライブなどで使うシンバルは、残すところライドシンバル(昔はトップシンバルと言った)だけになっていた。
ライドシンバルってのは、通常ロックやポップスだと、Aメロとかで右手でビートを刻むHi-Hatのチッチッチッチッという音に対して、サビとかで派手目にチンチンチンチンと長めのサスティーンで鳴らす、右利きのドラマーだと右前方に設置する大きなシンバルのことで、Crashシンバルとは違って、縁を叩いてジャーンと鳴らすことは、人にもよるけどあまりしない。
Jazzとか4ビート系では、曲のどの場面でも、Hi-Hatはビートの裏で左足で踏んで鳴らすだけで、ビートの頭はライドでチーンチーンチーンチーンと鳴らすことが多く、ライドシンバルはより重要性を増す。なのでJazz系のドラマーの皆さんは、ライドシンバルの音にはかなりこだわりを持つことが多い。
ぼくは学生時代はYAMAHAのYD-9000というドラムセットを持っていて、それを売ってくれた先輩から、シンバル系も併せて買っていたのだけど、大学卒業後にこれを全て後輩Sに売ってしまった。そして「健康」が2004年に約20年ぶりに復活してから、一般的なある程度真剣にやってるアマチュアドラマーと同様、ドラムセット本体はライブハウスにあるものを借りて使って、シンバル類だけは自前のものを持っていく、そのシンバル類をだんだんと増やしていくと言うのを、学生時代よりはかなり経済的な余裕があるなかで、十数年かけて楽しみにやってきていた。
んで、その学生時代に持っていたライドシンバルは、その先輩がけっこうこだわって選定した、もう忘れてしまったんだけど多分Paiste--パイステ。シンバルメーカーとしてはZildjian(ジルジャン)とともに老舗で、最近は廉価シリーズも出しているけど、昔はプロユース高級シンバルの代表ブランドだった--の、大変澄んだきれいな音がする逸品で、今となっては売らなきゃよかったと後悔するんだけど、でもその先輩はSteve Gadd命の人だったので、Fusion系とかJazz系の、繊細でどちらかというと地味なサウンドに合うものだった。
この辺がシンバル選びの難しいところで、このライドの音はぼくはとても好きだったのだけど、「健康」にしてもNisshie's Street Bandにしても、比較的音量が大きくビートがしっかりしている必要があるバンドでは、必ずしもそういう音が合うとは限らない。
最近のメーカーサイトでは、シンバルの音を聴けるところがほとんどなんだけど、シンバルの音ってそれだけ単体で聴いても、もちろんそれ自体の音のよさとかピッチの高低とかはわかるものの、バンドの中でどのくらい立つか、他の音でマスキングされてしまわないかは、想像するしかない。
あと奏法の話で言うと、ライドは普通はシンバルの中央から縁のちょうど間くらいの位置を、スティックの先で叩くのだけど、この叩く位置によっても、縁に近ければシャーンシャーンという少しうるさめの音になるし、中央に近づくとよりアタック音が中心の音になる。
特に中央の周りには丸く出っ張ったところがあって、これをカップと言うのだけど、このカップを叩くと、カンカンという音がする。さらにスティックの先端ではなく、腹と言うか先の方の横の位置で叩くと、より大きなインパクトのある音が出る。この音はいわゆるDメロ(展開部)や後半盛り上げるソロ部分とかで、8小節ないし16小節の間、その曲の中で1回だけとか、そういう使い方をする。
このカップのサウンドは、最近の若いドラマーはあまり使わないようになっている気がするんだけど、ぼくは個人的にドラムパターンに変化を生む意味でも大好きなので、「健康」ではかなり多用しているし、Nisshie'sでコピーする80年代の有名ドラマーは多くの曲で効果的に使ってくれていて、とてもウレシイのね。
てことで、ライドシンバルを選ぶにあたっては、未練は残しつつ、きれいな音よりも大きめの、すなわち周波数帯が比較的広い音が出る、そしてカップが大きく叩きやすい--こういう音楽的なこととは関係ない、物理的な使いやすさって、けっこう大事なのよね--ものをピックアップしていた。
カップが大きいものは、大抵Rock Rideとかって名前の付いたRock系のが多く、そもそも音の大きいものが多いので、ああ、おいらはやっぱ自分で憧れるよりも、Fusion、Jazz系のテクニシャンではなく、FunkとかBlack Music寄りのリズムキーパー向きなんだよね、と再認識したりした。
その中ではSabian 20" XSR ROCK RIDEってのがよさげかなと思っていて、でもこれって比較的ハイピッチできれいな音が出るからだよなぁ、おいらまだ未練残してるなぁ、なんて思いながら、新品で23,000円ほどするこのライドシンバルへの投資は、少し冷却期間を置いて考えようと、数ヶ月間放置してましたと。
そしたらこないだ、ヤフオクでPaiste 2002 Rock Bell Rideってのの20インチのが出品されていて、お、これカップ大きいじゃんと。今はもう売っていないだいぶ昔のタイプなので、ネット上にサンプル音源がほぼ1つしかなかったんだけど、ピッチは高くはないけど大きくて明るく派手な音がする。もちろんシンバル単体の音だけじゃ上述の通りバンドの中での立ち方はわからないものの、もしかしたらこれがおいらが求めていた音なのかも、って思っちゃいましてね。
こんなピンポイントの製品は、誰も入札しないと踏んで、入札期限を2回見送ったら、1回目が終わった時に少し値段が下がり、2回目はもう下がらなかったので、12,800円ならまぁいいかと、即決価格でポチった。なにしろPaiste 2002と言えば、Paisteの中でも上位クラスのシリーズだから、多分元値は40,000円くらいはしたと思われるのでね。
先週の金曜日に届いたこいつを、シンバルクリーニング液「Groove Juice」でクリーニングし、叩いてみたのがコチラ。まぁこのビデオの音じゃ何もわからないだろうけど、きれいな音ではないわな。でもこれがいいかダメかは実際にリハで使ってみないとわからない。
少なくともカップが大きい--こんなに大きなカップのライドは多分初めてだ--分、カップ部分は大変に叩きやすい。シンバルによってはライブ中、ずっと睨みつけてないとカップ部分を外すんだよね。ぼくのFBのプロフィール写真は、優しげな顔に見えるけど、実は結構なテンションでカップを睨んでる状態のものなんですよ。
リハで使ってイマイチだったら、また買っちゃうのかな。Hi-Hatも2つ買っちゃったし、こうしてシンバルが増えていくんだよね。今、6月に買ったCrashシンバル、Sabian XSR Fast Crash 16"も、音がきれいなのはいいんだけど、おとなしめでここぞと言う時目立たないので、設置位置を変えてみようか、それでもダメならどうしようとか悩み中だし。まぁ大人の道楽としては悪くはないですかね。
さて今週は、カレンダー作りにもっとも時間を割いた。写真の色調整と印刷に時間がかかるんですよ。写真面とカレンダー面の手動両面印刷なので、毎年印刷方向がわからなくなって頭が大混乱するんだけど、こういう頭の体操はボケ防止にはいいかもね。
んで今日は、先週印刷し終えた年賀状を料金別納で出すために、朝霞郵便局に行ったんだけど、祝日だったので「ゆうゆう窓口」っていう小さな裏窓口しか空いておらず、長蛇の列ができていたので諦めた。年賀状で稼ぎたいんだったら、この時期少しはサービスレベル考えろよな。もう一般企業なんだからさ。
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