夏休み後半は、長野南部の木曽駒ケ岳と、中部の美ケ原に、バカが登りたがる「高いところを求める旅」に行ってきた。今年は夏が来たのが平年並みかやや遅く、去年や一昨年とは違って避暑ということでは意味はあったんだけども、台風が来やがったせいで、だいぶ予定を狂わされた。
木曽駒ケ岳は、5年前にも娘と3人で、ふもとの駒ケ根高原のホテルに泊まり、登頂チャレンジを目論んだんだけど、その時も台風が直撃してしまい、「駒ケ岳ロープウェイ」が完全に止まってしまって、あきらめざるを得なかった。
今回は、ふもとではなくロープウェイ山頂駅、日本最高所の「千畳敷駅」に併設されたこれも最高所の宿、「ホテル千畳敷」を、苦労して予約解禁当日の2月1日朝にネットで予約していたので、ロープウェイさえ動いていれば、駒ケ岳にチャレンジできる確率は高かった・・・はずなんだけどもねぇ。
14日の朝、いつもの関越を避け下道で行くルートのつもりで7:45頃に家を出て、所沢インターに着いてみると、まだほとんど渋滞していないという。ならいいかと関越に乗ってみると、圏央道に入る鶴ヶ島JCTまで、いつもなら15kmくらいは渋滞するところが、なんとわずか2kmほど。そればかりか、圏央道から中央道に入る八王子JCTはまったく渋滞なし、中央道も相模湖インター手前で2kmほど流れが滞ったくらいで、信じられないほどスムーズに進む。
これって台風が来るから出かけるのをやめるという人の割合が、結構多いってことだよね。宿を予約してれば3日前くらいにはキャンセルしないとお金かかっちゃうから、それ以前の台風情報で早々にキャンセルをかけたセキュリティ意識の超高い人か、そうでなければそもそも予約なんかしないでアドリブで出かけるという人。前者がそんなに多いとは思えないから、つまり後者がそこそこの割合いるってことか。
そんなもんなのかねぇ、とカミさんと話しながら、予定より1時間ほど早く、11時頃には駒ケ根インターを降りてすぐの、ロープウエイ山麓駅まで行くバスのターミナル--一般車は途中までしか行けないので--、管の台バスセンターに着いていた。高速では雨が降っているところもあったが、ここの天気は曇り時々晴れ。駒ケ根高原と呼ばれるこの辺りは標高800mほどなので、地上より多少は風が涼しい感じはするが、蒸し暑いことには変わりない。
11時から空いている店はほとんどない中、観光案内所で聞いて「すが野」という店で、駒ケ根高原名物ソースかつ丼を食べる。それから12:15分発のバスで、30分ほど揺られ、ロープウェイ山麓駅のある「しらび平」に着く。ここは標高1,600mほどあり、気温も24度程度とだいぶ涼しくなってきた。ただし湿気はかなりある。
時間に余裕があったので、ロープウェイに乗る前に、いつものように1人1つではなく、あらかじめホテル千畳敷用に1つにまとめてあったキャリーケースをコインロッカーに入れて、歩いて15分ほどのところにある「日暮の滝」を観に行く。上から下まで見える角度では落ちていないので、豪快という感じではないが、音を出して流れる水流は爽快だ。
駅に戻って14時発のロープウェイに乗り、約7分で千畳敷駅に着く。ここの標高は2,612m、気温は18度ほどで、おおむね霧に覆われており、半袖だとさすがに寒い。ホテルにチェックインしてから、「千畳ほどの広さのある平らな場所」を意味する各種高山植物満開の「千畳敷カール」を1周する遊歩道を歩いてみる。
時々霧が晴れ、陽が射して、この遊歩道の途中から急坂を登る駒ケ岳への登山道が上の方まで姿を現したり、はるか下の駒ケ根の街が見える。うーん、こんな高山に来たのはそう言えば久しぶりだ。なんつーか、この天界感、下界との隔絶感がいいんだよね。
駒ケ岳頂上までの標高差は300mほど。よーし、明日は朝から登山だと、温泉でないのはやむを得ないとしても温度が熱すぎる風呂に入り、これは予想外になかなか美味い夕食を食べ、敷布団が固く掛け布団が暑くて浅い眠りの後6時半に起きてみると・・・やっぱなぁ、濃霧の上に強風で、とても山に登れる状態ではない。どころか、通常この風だとロープウェイは動かないとのことで、登りは運航していないが宿泊客のために下りだけ何本か出す、とアナウンスしている。
台風の奴、どうせ来るならさっさと行っちゃえばいいのに、やけにもったいぶりやがって、この日がまさに広島に上陸した日。駒ケ根の天気予報では午前中は持つみたいなことを言ってたので淡い期待をしたんだけど、やっぱダメだったかぁ。山だからなぁ。
慌てて用意して、8時に出た下りの(多分この日最後の)ロープウェイに乗り、途中突風で大きく揺れて止まったりしながら、バスに乗って9時前には管の台バスセンターまで戻ってきた。
降りて来てみれば、安定してではないけども、おおむね晴れ時々曇りという天候で、風は多少あるものの気温は高く、台風の影響なんて全く感じられない。まだ通常なら宿を出てもいない時刻だし、どうしよう、とカミさんと相談して、なんだか翌日は逆に天気が悪いとか言ってたんで、じゃあ1日前倒しで予定をこなそう、ということにした。もともと3日目に予定していたのは、この近辺の森巡りだ。
まず向かったのは、バスセンターから車で10分ほどのところにある、養命酒酒造の駒ケ根工場だ。ここは広大な工場の敷地の中に、「健康の森」と名付けられたちょっとした森と、その中に池や滝や小川、復元した縄文・弥生の遺跡住居の他カフェや記念館があり、予約すれば工場内の見学もできるし、この森は自由に散策してよいと言う。
森自体はそれほど広大と言うわけではないが、遊歩道が整備されており、夏の朝の強い日差しの中、広葉樹の葉が美しい。森を隅から隅まで、その後立派な門の外のハーブ園に花を育てているのを観てから、工場のほぼ目の前にある駒ケ根SAのスマートICを入り、東京方向に向かって伊那インターで降りる。
5分ほど走ると、「信州大芝高原」に着く。ここにはスポーツ施設、公園、温泉、広大な森などがある。この森は、もともと草原だったところへ、地元の尋常小学校の校長先生が植林の必要性を説き始めた事業により、協力者たちが木を植えて行ってついに森になったらしく、森の中には3つのセラピーロードが設置されていて、一番長い「リフレッシュコース」は一周約5kmある。
木くずを敷き詰めた幅1.5mほどのこのコースを歩いていくと、かなり深い森で、ほぼ木陰で涼しく、ランニングで回っていく人たちに次々と追い抜かれる。朝霞のキャンプドレイク跡も、こういう風にしてくれたらランニングが楽しみになるのに。コースを回ってきた後、「ホテル千畳敷」で用意してもらったおにぎり弁当を、森の中の東屋的なところで食べた。
それから駒ケ根に戻り、チェックインまでまだ少し時間があったので、バスセンター隣のショップでソフトクリームを食べ、5年前同様に--但し5年前は雨模様だったが--駒ケ根高原の中心にある駒が池の周りを少し散策して、この日の宿「駒ケ根高原リゾートリンクス」に入る。
まだ3時台だったが温泉に浸かり、前夜よく寝られなかったうえ朝からバタバタしたためかなり疲れていたので、贅沢にも1時間ほど昼寝したりした。今回の旅で唯一の洋風ホテルのここは、じゃらんのランキングで高位らしいバイキングの食事がなかなか美味なのと、温泉が広くて温度調節もよくできていたのがよかったな。
てことで長くなってるので続きは多分来週。
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