米大統領選、なんだかぐちゃっとした着地ですなぁ。なんかアメリカってカッコ悪い国になっちゃったよね。まだこれからしばらくもめるんでしょうが、FB上では友人たちが、「『往生際が悪い』ってのは英語でなんて言うんだろう?」って議論をしてて笑えた。
しかしこれも誰かが書いてたけど、あれだけいろいろと自己中心的で品性のかけらもない言葉、態度を晒し続け、各種疑惑も多々あった、史上最悪の下劣な現職大統領のおっさんに、7,000万票以上の票が投じられたってことがオドロキだよね。
その中でどのくらいガンコと言うか狂信的な白人至上主義者がいるのかはわからないし、単に規制緩和とか減税とかいった現世利益に共感した人も多いのだろうとは思うけども、もともと選挙ってのはそういうものだとは言え、かの国の国民の多くが、セルフィッシュなものの考え方をするんだなぁということが、ある程度想像されていたことではあるが、あらためて確認されたよね。
都市票や若者票が、多くバイデンさんに投じられたと言うことが、せめてもの救いなのかな。自分を戒めないといけないと思うけど、やっぱ歳とってくるとセルフィッシュでガンコになっていくもんね。このブログには何度か書いてるけど、働いていないとかいろいろと条件が必要ではあれ、老人の票は8掛けにして数えるとか、そういうことは検討に値するんじゃないかなぁ。政治ってのは多くが未来のために行われるものだからね。
さて、今日はどうでもいい小ネタを1つ。
病院系のCMっていくつかあるけど、よくまぁ零細経営の医療機関が、TVCMなんて打てるもんだと感心するが、そのほとんどが有名な高須クリニックをはじめ美容整形系だ。そうでなければ包茎手術。まぁそうだよね。保険診療の比率が高い普通の医療機関が、ただでさえスタッフが逼迫してるのに、一般人に訴求する意味なんてあまりないもんね。そもそも自由意思でではなく、病気になったから行く場所なんだし。
でもやはり制作費は限られているのだろう、それらのCMの多くは、さすがに静止画のみってことはないけども、地方ネットでよく見るような、単純な映像だったり人形を使ったり、ワンワードを繰り返し流したりする、なるべく金をかけないように作られたものがほとんどで、著名タレントがドラマ仕立てで、みたいなのは皆無だ。
その中でも城本クリニックと言う美容外科の、女性がカーペットの上をごろごろ転がるCMがあるでしょ?もうずいぶん長いこと流し続けてるやつ。こないだ「にけつッ!」で千原ジュニアが言ってたけども、あれ見ると2歳の息子さんが、喜んでカーペットの上をごろごろ転がるんだそうで、なるほど、あのシンプルさが子供に訴求するんだと感心しきり。もっとも美容整形で子供に訴求してどうすんの、って話だけども。
で、言いたいのはその映像のことじゃなくってですね。あの単にフリーダイヤルの番号とクリニック名を連呼するシンプルな曲、あれがどうにも気になりましてね。
戦前から昭和30年代くらいまでの曲には、作られた歌詞に合わせて、拍子が変わるものってけっこうあってね。てか拍子や小節の概念がロックミュージックが出てきて以降ほどかっちりしてなかったのか、曲の構成上も4の倍数の小節数にはなっていない、ある意味自由自在、好き勝手の曲ってのが結構あった。
たとえばこれは知らない人が多いかな。我が母校都立青山高校の音楽の先生だった故カバさんが、大好きでよく取り上げていた「城ヶ島の雨」(青校生には懐かしいでしょ)。北原白秋先生の作詞だそうだから、歌詞側を調整するなんてあり得なかったんだろうけど、しょっぱなの「雨が降る降る」からしてもう譜面にどう書いてあったのか謎だし、その後の「城ヶ島の磯に」に行く前の休符って何拍なんだ?もよくわかんない。確かあれ譜面配られたよな。どう書いてあったんだろう?
今ももちろん、狙った変拍子の曲とかはあるし、4/4なんだけど2/4がBメロやサビの最後にだけ入るとか言うことはよくあるんだけども、いくら変拍子でも、ドラム譜面に落とせないと言うことはまずない。King Crimsonとか往年のプログレ系の曲をコピーする時には、まれに13/8拍子とか10連符+11連符の繰り返しとかは出てくるけど、曲全体がそうなっていることはないので、その部分を必死に数えれば、ああ、こう解釈すればリズムが取れるか、という解決策は思いつく。
そういう意味で、この城本クリニックのCMソングって、音楽的には極めて複雑でしてですね。基本3拍子で、アレンジもズンチャッチャッ ズンチャッチャッがベースなんだけども、曲全般にわたって拍子の変更が頻繁に行われる。そもそもフリーダイヤルのアタマが4ケタってとこに合わせて、「ゼロイチニーゼロ」の最初の「ゼロ」がどう拍に嵌っているのか、これがまずわからない。
まぁど頭だからこれはアウフタクト(日本語で言うと弱起)で3拍目から始まったんだろうと善意で解釈したとしても、2番、というか2回目の「ゼロイチニーゼロ」の最初の「ゼロ」に至っては、明らかに1拍分おかしい。病院名の「しろもとクリニック」のところも、どう拍に嵌ってるのか不明だ。
この記事を書くにあたって、こりゃあ自分でこの曲を解析して、どう拍子が変わっているのか自分なりに明らかにするしかないか?と思っていたのだが、冒頭の写真のリンク先のYouTubeのコメントをつらつら見ていたら、同じようにこの変拍子が気になってる方が何人かいらっしゃったらしくてね。その中で「ぃヤングちゃん寝るってさ」って方が、以下のように分析していた。
===(以下引用)===
この曲はアウフタクト(弱起)の曲で、 歌詞の「ゼロ」は前の小節、 「イチ」が拍子の頭、表拍(強拍)だと思いますぅ。 その解釈の方が、コード楽器の人に渡す譜面では、コードネームも書きやすい位置にきます。 いずれにしても変拍子ですけどねぇ。 【 】のアルファベットはコードネーム 数字は拍子(tacovo註:小節区切りと四分休符代わりの△は追記させて頂きました)
ゼロ|3【C】イチニーゼロ|3【ConG】イチマルナナ|3【F】キューニーイー|2【C】キュッ△|4【G】シロモト【F】クリニッ|2【C】クッゼロ|3【C】イチニーゼロ|3【ConG】イチマルナナ|3【F】キューニーイー|2【C】キュッ△|4【G】シロモト【F】クリニッ|2【C】クッ△ (ここからエンディングへ突入)|3【C】|3【ConG】|3【F】|2【C】
===(引用以上)===
すばらしい!なるほど。だけどなんでこんな複雑なことになった?普通4拍子に2拍の小節が入るとかはあるけど、3拍子に2拍とか4拍とかが頻繁に入るって、あり得ないでしょ。
「シロモトクリニッ」の小節と「クッゼロ」の小節を、無理やり3拍+3拍(「シロモトクリ」+「ニックッゼロ」)と解釈することは可能だが、それでもその前の「キュッ△」の小節は2拍だ。どうやってもトータルで3の倍数にならない。うっわー、気持ち悪い。
ちょっとこれは、作曲者なのかCMの制作者なのか、こういう複雑な変拍子になった経緯をぜひ説明して欲しいもんだ。たぶん大した理由じゃなかったりするんだろうね。例えば15秒の中で、とにかくフリーダイヤル番号とクリニック名をできる限り詰め込め、っていうスポンサー意向と、ディレクターがその意向を忖度して、休符なんて無駄だ!と音楽的なことなんて無視しちゃったとか。おかげさまでこの番号はぼくの海馬に刻まれまくってるけどね。
てことで一応納得はしたものの気持ち悪さは解決しなかった、城本クリニックのCMソングにまつわる小ネタでした。
来週は水曜日に、ついにソフトパッケージとして発売になった竹内まりやの「souvenir the movie ~MARIYA TAKEUCHI Theater Live~」を予約しといたのが届く予定。映画館でも観たし、この映像をもとに制作されたNHKの特番も録画して繰り返し観ているけども、それらには含まれなかった達郎と竹内まりやの貴重なデュエットの映像とか、いろいろ入ってるらしいので、これは楽しみだなぁ。高かったけどBlu-Ray版を予約してしまった(あれ?予約時よりだいぶ値上がりしてる)。
さてさて、この週末は暖かいらしいけど、だいぶ秋も深まって来て、寒く乾燥してまいりました。みなさんもお体に気を付けて。
Tacovo様
いきなり投稿を失礼します。
変拍子にハマった一人です。
城本クリニックがどうしてもわからずに検索したらここに来ました。そして「ぃヤングちゃん寝るってさ」さんの記事を教えていただいて、やっとほっとしました。
ところが一度は安心したものの、少しばかり違和感が残ったので、さらにいじってみたら自分なりの考えが浮かびました。
「4+3+3+2+5」だと思います。どうでしょうか? 私は素人ですので、音楽的な分析はできませんが、何となく、作曲者は歌詞を何度も読んでいるうちに何拍子で揃えるかを無視することにしたのではないかと思う点でTacovo様の考えに賛成です。
失礼しました。
投稿情報: 電車go | 2021/08/01 06:59
いろんな人がいろんな分析をしてるようですね。
まだまだ音楽には未来があるということですね。
投稿情報: とおりすがり | 2022/06/26 13:16