今週は5日、6日と休みをもらって、佳境に入って来たオリンピックの観戦をメインにさせてもらったんだけど、決勝トーナメントに入る競技が増えてくると、日本人選手が残っている競技を観戦するための、翌日のスケジュール立てるのが大変になってくる。
だけどNHKのオリンピックページ、やっと見方に慣れてきたと思ったら、もうオリンピックお終いかぁ。明日あたりはもう最終盤で、ここまで来ると残念ながらそんなに大変でもなくなってくるんだけどね。
いやしかし、日本が活躍するだろうと言われた競技がダメだったり、逆にそれほど前評判が高くなかったものでメダルを取ったり、やっぱり真剣勝負はどう転ぶかわからなくて、観ていてエキサイティングだよね。しかも自国開催だけに、日本人選手は無観客でも気合が違うし、だからメダルラッシュになったんでしょう。今日はそのオリンピックにまつわるいくつかのことを書きますね。
まず先週娘がウチに来た時に、「菜子が出るのは観なきゃ」って言ってて、ああ、朝霞市役所に大きな垂れ幕が下がっていた選手のことかと聞いてみたら、そのバスケット女子日本代表のポイントガード、背番号15の本橋菜子選手(冒頭写真中央)は、娘の小学校の時の同級生だと言う。
予選最終戦の2Qと4Qに出場した彼女の顔を見ても、ぼくは最初ピンとこなかったんだけど、カミさんは、小学校時代からあまり顔が変わってなくてすぐわかったと。ああそういえば、娘と友達が2ショットで映ってた写真があったよねと思い出し、アルバムを見てみたら、その友達が確かに彼女だった。修学旅行とか運動会とか、他の友達と一緒に写っているものも2ショット写真も何枚かあり、ぼくは知らなかったけど、ほぼ親友と言える間柄だったようだ。
彼女は小学校1年の時からバスケットを始めたというから、この写真に写ってた頃にはもうかなり本格的にやってたってことなんだろうけど、オリンピック代表の選手が近しい友人だってのは、ぼくは全く経験がないし、すごいことだよね。
4日に行われた女子バスケの準々決勝、オリンピック全体の中でも五指には入る劇的な試合だったよね。終了間際に逆転して、1点差で初のベスト4。今日の準決勝はもう横綱相撲って感じだった。いやぁ、バスケットで決勝に行くなんて、あり得ない大事件だ。しかもやっぱ娘の友達が出てるとなると、直接は関係がなくても一生懸命応援しちゃうよね。こういう楽しみ方があると、オリンピック観戦はますます盛り上がる。
個人的に特に一生懸命観ていたサッカーは、女子はベスト8敗退、男子もメダルが取れなくて残念。もう3位決定戦は最初から体が重い感じだったよね。がんばってたけどねー。んで、前にも書いたけど、その中継でどうにも気になるのが、解説者--主に今回は女子の解説をしてた岩清水さん--が口にする「有効的」という言葉だ。
「有効だ」はもともと形容動詞なので、「的」をつける必要はない。「有効ですね」でいい。「ゆうこうてき」という音は元々は唯一「友好的」という単語にしかないはずで、言葉は変わって行くものだから文句をつけても仕方ないんだけど、ぼくのようなオジサンには「有効的ですね」と言われるとどうにも気持ち悪い。
しかも今回は夜のダイジェスト番組で、NHKのアナウンサーまでがこの言葉を使っていた。今変換をかけてみたら、既に辞書にこの言葉があるようなので、これはもはや普通の日本語として定着しちゃったってことなのか?最近聞く言葉の中では、時代に伴う変化を表す最も代表的な事例のように思う。だけど個人的には絶対に「有効的だよね」とは言いたくないけどね。
さて、2週間前にも書いたけど、先週の日経に記事が載っていたので、再度書いてしまいますが、どうにも腹に据えかねるのが、日本人の付和雷同と匿名ディスりの件。この記事によると、オリンピックに対する受け止め方が開幕前後で大きく変化していると。ツイッター投稿を分析した結果、従来は不祥事の批判や、新型コロナウイルスの感染拡大を懸念する否定的な投稿が多かったのが、開会式があった23日以降は肯定的な書き込みが上回っていると。
今まで批判的な書き込みをしてたのと同じ人が、急に好意的な書き込みを始めたということではなく、彼らとは別の人が好意的な書き込みを始めた世の趨勢を見て、単になりを潜めてるってことだけかもしれないけど、それだけでもずいぶんと卑怯な話だ。
この記事のレスに、東大の教授の方が、「外国メディアは開催前の不評が開催後も継続されるとみて、不評の中で五輪が進むことについてどう考えるか、という問い合わせがよく来る。日本の場合、開催してしまうとそうした否定的な見方は変わるのだ、という説明をしてもなかなか理解してもらえない。」と書いているが、世界に注目されている中、ほんとカッコ悪いことこの上ない。
また同じこの記事のレスで、電通の研究員の方が、開催か中止かという論点と競技の中身の話は、そもそもアジェンダが異なり、一般の人がやっと後者の話をできるような状況になった、と指摘しているが、開催への賛否の議論が喧しい中で、オリンピックの開始が楽しみだということを言える雰囲気でなかったとしたら、そういう雰囲気にした人や組織には、やっぱり一定の責任があると思う。
そしてその競技の中身の話としても、結果が出なかった選手を誹謗中傷する匿名の書き込みが問題になっている。
とにかく一部のマスコミも一般人も、他人の失敗や弱点を探して、そこを突いて周りを巻き込み、自分は直接表に出ずにマウントを取りたいという、下衆な気持ちが強すぎる。そういうところは本当に日本人と言うのは情けないと思う。
批判やマイナス方向の意見と言うのはそういう国民性もあってとても強い力を持ってしまうこと、また4年に1度のオリンピック、しかも東京で行われるのは半世紀以上ぶりの、世界中の耳目を集める貴重な場だということこそ、読まれるべき「空気」であって、もう1歩突っ込んでそれを読んで、言わずもがなのことは言わないとか、そういう知性を発揮してもらいたい。
我慢できずに匿名で他人を批判してしまう性向の人に対しては、もういくら法改正をして罪になりかねないよ、って言ったって追いつかないと思われる。これは恐らく不安神経症の一種なのではないか。そういう精神疾患の1つとして認め、名前を付け、世の中の共通認識として、治療されるべきものであるとされる、そういう方向に持っていくべきだという気がする。
これに近い話なのかよくわかんないけども、勝った選手、成功した選手はいいとして、負けたり失敗した選手に対しても、その直後にインタビューを取るってのは、ぼくにはどうもいたたまれないのだけど、みなさんどうですか。
選手が泣いたり謝ったりする姿を見て、ああ、ホントに残念だったね、という気持ちに共感したいというのが世間の共通した思いなんだろうか。人生をかけてその競技に本気で取り組んできた選手の本当の気持ちなんて、いち素人の我々にはわかりようがないのにね。そんな素人に、いや君はがんばったよ、まだ次があるじゃん、とか言われたり思われたりしても、なに言ってやんでぇ、って話だよね。
全仏オープンで、あの場合は勝っていたけども、大坂なおみ選手が会見を拒否した気持ちの方が、ぼくにはよっぽど共感できるのだけどなぁ。そっとしておいてあげればいいじゃない。この手の野次馬根性も、精神疾患とまでは言わないけど、悪意に根ざしてる気がして、気持ち悪いよなぁ。
ってことで最後はブラックTacovoが出てしまいましたが、オリンピック代表になれるようなほんの一握りの、才能と努力の塊である選手たちを、もっといろんな意味でリスペクトしてもいいんじゃない?って思います。
オリンピック、まだ2日残ってるけど、本当に素晴らしかった。選手の皆さん、お疲れ様でした。
※冒頭の写真はBasket Countさんから、グラフの画像は日経新聞さんからお借りしました。問題ありましたらご連絡下さい。
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