今週も小ネタ集めかなぁと思っていたら、先週末にブーランから連絡が来た。ブーランが学校長を勤め、ぼくも評議員というヤツになっている音響系専門学校の学生が、往年の某プログレバンドの名曲へのアンサーソングを作り、マキゾエがアレンジをしたものに、ドラムとベースを入れたいので手伝ってくれと言う。
まぁいいんだけども、もともと原曲がエレピ(Rhodes)とメロトロンに分厚いコーラスを重ねた、スローテンポの幻想的な作品で--って書いたらぼくら世代の方には想像ついてしまうかな--、そもそもドラムもベースもあまり入っていない。そのアンサーソングだから、マキゾエのデモも、これって生で演奏する必要あるの?って仕上がりだ。
ブーランに打ち込みでいいんじゃね?って言ったら、いやいや、学生にレコーディングのトレーニングをさせる趣旨もあるから頼むよ、と言う。だけどこれってバスドラとスネアとハイハットくらいあれば十分じゃん、レコーディングの練習にもならんのでは?いやいや、プロデュース役の学生は、もっとドラムとベースの手数を多くしたいと言ってるから、適宜いじってくれ、そうは言っても例えば16ビート感とかを出しちゃうと、アレンジ全然変わっちゃうよ云々というやりとりがあり・・・
最後はマキゾエが、テンポを少し速くし、ちょっとビート感を出したデモを作って来たのと、一方でみのりん教授がノリノリで、ベースのパターン作ったよとマキゾエデモに重ねた音源を共有して来たりしたので、わかったやりますよと、秋分の日とその前夜に、Cubaseにドラムパターンを打ち込んだ。
Cubaseを立ち上げるのは去年「健康」向けに1曲作って以来かな。コロナ禍で家に居るんだから、もっと曲作ったり色々やればいいのに、やっぱイチから作るものってなかなか腰が重くなっちゃうのよね。そもそも「降りて」こないと作るネタがないってこともあるんだけど、実際にはコロナ禍になって1年半の間、いくつかのフレーズやパターンは降りてきてはいる。
でもそれを組み合わせてこんな風に並べれば曲になるじゃん、ってとこで重い腰が上がらないのよね。てか曲に仕上げる時って、全部を構成してからやることなんてほとんどなくて、Aメロとサビくらいが思いついたら見切り発車で打ち込んでいって、途中湧いてくるアイデアで埋めていくって感じなんだけど、なんつーかそういう、先の見えない作業って、始めちゃえば楽しいし、それぞモノづくりの醍醐味だとも思うのだけど、始めるまでにかなりの気合を要するのよね。
こういうのを生業としてやっているプロのコンポーザー、アレンジャーの皆さんって、ほんとにすごいと思う。もちろんぼくなんかより降りてくる頻度は桁違いに多いし、音楽的教養も深いから、間を埋めたりバッキングをどうするかのアイデアのバリエーションも、格段に豊富なんだろうけどさ。
まずマキゾエデモをCubaseのトラックに取り込み、テンポを合わせ、拍が合うように位置を調整し、作業開始だ。去年作った曲からドラムトラックの一部分をコピってきて、おおむね8小節単位くらいでバスドラやスネアやハイハットの発音位置を決め、ベロシティ(音の強さ)を調整し、オカズをどうするか考える。これをコピってまた次の8小節を作り、Bメロになったらパターンはこう変えて、みたいに作業していく。
マキゾエが「健康」の新曲を作った時にはいつもやる作業なんだけど、久々にやってみると楽しいのよこれが。テンポはゆっくりで、基本的には同じパターンの繰り返しの曲なので、2回目、3回目と、少しずつ派手に、音数を増やしていくのだが、全部で何回あるからいきなり派手にせずに全体を考えて次第に音数を増やそうとか調整しなきゃいけないし、ベースパターンや、ポイントではマキゾエが作ったエレピのオカズともシンクロしないといけない。
こういう工夫がね、久々にやると楽しくてね。4分半くらいの曲だから、パターンづくりの作業自体はせいぜい3時間か、まぁ4時間はかからない感じなので、休日昼まで寝ていて、メシ食ったり多少ダラダラしていても、夕方にはできてしまったのだが、その後譜面にするところで、予想外に手間取った。
Cubaseのスコア作成機能って、山のように豊富な機能を持っていろんなことができる(らしい)のだけど、それだけに使いこなすのが大変なのよね。Cubaseを使う機会の中でも、スコア作成機能を使う機会ってさらに少ない--基本的に曲が仕上がった時だけのため--ので、これがなかなか慣れない。自分がやりたいとてもシンプルなこと--例えば曲のAメロとかBメロとかの境目の小節線を二重線にしたいとか--が、あれ?どうやるんだっけ?ってことになって、いちいち調べたりしなきゃならない。
パターン自体は夕方4時ごろにはmp3ファイルにしてGoogle Driveに上げ共有し、みの教授には「お、仕事が早いな、相撲が終わったら聴くからちょっと待って」と言われたのだが、スコアが仕上がった頃には、相撲はもうとっくに終わる時間になっていた。
あと音楽用PCのネットワーク系のトラブルも発覚してしまって、メインPCの共有設定にしているドライブは見えるのに、ネットワークドライブと無線LAN接続したはずのEpsonのプリンタが使えない。とりあえず回避手段があるのでいったんそれで収めたが、いずれ解決しなきゃならない課題として残った。
夜の9時頃には、ぼくが上げたファイルにみの教授がベースを弾いて被せたファイルを、Google Driveで共有してくれた。ブーラン、いちいち生楽器でレコーディングしなくても、もうこれでいいんじゃね?
そんなにチャレンジングにはしなかったつもりだけど、さすがに練習なしでは厳しいので、レコーディング自体と、その事前練習の時間が必要になる。スケジュール調整の結果10月5日にレコーディングをするとのことなので、週末は2回しかないのよね。
てことで今日もちょっくらV-Drumsで練習。V-Drumsをいじるのも久しぶり--とは言ってもこちらは1,2ヶ月くらいだけど--だが、こっちはこっちで、V-Drums脇のモニターアンプへのメインミキサー側からの配線がどこかで切れていてマキゾエデモがモニターできなかったり--これはまだ未解決(→単にミキサーのアウト端子のプラグが外れていただけと判明。解決しました)--、スティックに巻いたゴム製の滑り止めグリップテープが劣化して表面のゴムがボロボロ崩れ落ちたりというブランクトラブルに遭遇。
グリップテープはしょうがないので剥がしたが、スティックにくっついているノリ部分は薄く残ってしまった。これはこれで滑り止め効果はあるし、ボロボロと落ちたりはしないんだけど、握ってドラム叩いてると手が黒くなるな。うーむ。
練習自体は、うん、大丈夫だろう多分。でも、レコーディングそのものは学生たちのためだし、彼らといろいろコミュニケーション取りながらやるのは楽しいんだけど、今回はそんなにたくさんは持って行く必要もない--ようにした--とは言え、機材を準備して、大ぶりのリュックに詰めて、他の荷物をいつものリュックから詰替えて、ブーランの学校に行って、ドラムのセットアップして、と考えると、正直ちょっと億劫ではあるな。まぁパターン作り作業は楽しかったから、とりあえずはよかったんだけどね。
来週はもう10月だってのに、今週は真夏日もあって、一方で夜はけっこう冷えたりして、んでまた今日はいきなり昼間も秋の気配の陽気。季節の変わり目はコロナでなくても体調を崩す向きも多いかも知れませんが、みなさまお体をお大事に。
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