北信州旅行の続きは3日目から。この日はまず戸隠の宿から今は長野市に吸収された鬼無里(きなさ)に向かい、この地域で唯一の小型スーパー、「イーストア鬼無里店」に行く。昼食用におにぎりでも、と思ったのだが、コンビニと違ってそういう腐りやすいものは置いておらず、代わりにランチパックを2つずつ買う。
そして今回の旅の本来なら目玉であった「奥裾花自然園」に向かう。今回の旅はそもそもそこに行ってみたかったのがあって、前後に戸隠やら栂池やらを付け加えたようなものだったのだが・・・
まずトラブルの1つ目は、ナビに「奥裾花自然園」をセットして出発し、その指示通りに走っていたら、なんだかおかしい。やけに遠いなぁと思ってたら、「白沢洞門」というトンネルをくぐった。あれ?ここって「自然園」の後で白馬方面に向かう時に通る、出口での北アルプスの眺めが有名なトンネルじゃないの?
ナビの地図を縮小してみたら、なんと鬼無里から「自然園」へまっすぐ行けば19kmほどのはずの道のりなのに、途中白馬駅の方に寄ってから戻るというとんでもないルートを示している。おいおい、こんなバグあり?前の車のマツダのナビは低機能だったけど、こんなミスはさすがに一度もなかったぞ。こりゃ日産に文句言ってやらないといかん。仕方ないので結構なワインディングロードを、往復20km強、1時間弱の時間を無駄にして戻り、「自然園」に向かう道に入ったのだが・・・
ここでこの旅--に限らずここ何年かで--最大の計画ミスが発覚!なんと、「自然園」に行く道が道路改良工事中で7月~9月いっぱいまで通行止めだって言うじゃありませんか!スマホで「奥裾花自然園」のページを見てみると、その間園もお休みだというお知らせが。ここは初夏の水芭蕉が目玉でこの時期はオンシーズンではないとは言え、こんな夏休みの書き入れ時に長期で休むか?
今回の旅の計画は2月ごろに立てたので、早すぎる旅計画も考え物だって話なんだろうけど、7月に休むってお知らせを、6月7日に出すってどうなのよ?しかも旅に出る2週ほど前に、計画を再度なぞってみることにしているんだけど、その時にも全く気づかなかった。もっとも気づいたとしてもそんな直前じゃどうしようもないんだけどね。
しょうがないので、ここは来年かその先か、水芭蕉の時期にまた来ようってことにして--実はこの手のミスや悪天候のため、そういう宿題になってる場所が全国にいくつかあるんだけどね--、またさっき戻った道をたどり、栂池に行く途中時間があったら寄ることにしていた「大出公園」に行く。
ここは後立山連峰の山裾を糸魚川まで流れる姫川に掛かる吊り橋や、雄大な連峰の眺めが美しい公園なのだけど、この日は連峰の上部には厚い雲がかかっており、八方尾根スキー場のゴンドラ「アダム」も、上の方は雲に入ったりまた出て来たりといった感じだ。そんな景色を眺めながら展望台のベンチに座ってランチパックを食べ、さてどうしようかと。
「アダム」に乗って登って行けば、2つのリフトを乗り継いで標高1,800m強の「八方池山荘」まで登れ、ここから90分ほど歩くと「八方池」という絶景の高層池に行けることは、息子が中2の時だからもう20年以上前に一度行ったことがあるので知っていたが、とりあえずゴンドラ駅方向に走って行くとすっかり雨模様になってしまって、こりゃ登っても寒いだけで何も見えんぞ。
じゃあってので、たまたまその旅計画なぞりの時に、今クール月曜の夜10時から放送しているドラマ「マウンテンドクター」のロケ地の情報も、近くなんじゃね?ってことで調べていて、山小屋に出張診療所が置かれていることになっている「鮎川山荘」が、実際には「猿倉荘」といい、ドラマでは山を登ったところにあるように見せてるけど、白馬岳中腹の標高1,200mほどの場所にあって、車でも行けるというのを知っていたので、ミーハーだけど行ってみることにした。
白馬岳の登山ルートのうち、白馬大雪渓を通る猿倉登山口の入口にあるこの「猿倉荘」は、このルートが現在雪渓のところで通行止めになっているのと、ロケは山開き前の5月末~6月に行われたってことで、今はひっそりとしていたが、見た目はけっこう高地にあるような様相で実は交通の便がよいこんな場所を、よくうまいこと見つけたね。
少し時間があったので、その登山道を1時間弱登ってみて、この時は雨は降っていなかったが、途中ゴロゴロと雷の音が聞こえてきたので、こりゃヤバいと元来た道を戻り、車に乗って八方尾根の2つ先にある栂池スキー場の麓に向かう。
この日の宿は「ホテルベルクールイノマタ」といい、今回の旅の中では一番大規模な4F建てのホテルだ。部屋のユニットバスのトイレにウォシュレットがないのが残念なものの、温泉があり、食事はまぁまぁで、TVがこの旅で初めて普通にレコーダーからの映像を映せたので、ドラマは録画して追っかけで観ることができた。
最終日の4日目は栂池スキー場のゴンドラ「イヴ」とロープウェイを乗り継いで行ける、国内でも貴重な標高2,000m前後の高層湿原「栂池自然園」に行く。ここは8年前に息子と3人で来ているのだが、その時は雨模様で雲と霧に覆われ、アルプスの景色は全く見えなかったので、リベンジってことでね。
この日もそれほど天気はよくなかったが、雨は降っておらず、山の上の方は雲がかかっているが、時折陽が射すこともある。「栂池自然園」はいくつかの湿原の木道を、湿原と湿原の間では山道で繋いだような造りになっており、一番奥は標高差150mほどあって、ここまで行って戻ると3時間半ほどかかる。8年前の記憶はまだらだったのだが、こんなにきつかったっけ?こっちが歳取ったってことかな?
だけどここはやっぱ、湿原の景色が美しい。ロープウェイ山頂駅で、今咲いている高山植物の写真の一覧を200円で売っていたのでこれを買って、花の名前を確かめながら歩いて行く。気温は20度ほどかな?山道を登ると汗をかくけど、全体にとても涼しくて気持ちがいい。
一番奥の展望湿原まで行くと、ちょうど晴れてきて、そうなると日差しが強い。雨兼用の折り畳み傘を日よけに差し、ここにあったベンチで30分ほど、アルプスが見えないかなぁと粘っていたら、ほんの一瞬で代るがわるだけど、白馬大雪渓の左上に杓子岳(冒頭の写真ね)、右に白馬岳、さらに右手前の小蓮華山が見えた!この後また天気が悪くなっちゃったから、スッキリどーんと見えたわけではないけど、だいぶラッキーではあったのかな。
カミさんはもっとこの気候の中にいたい様子だったが、腹も減って来たため、入口の「栂池山荘」まで戻って、もう2時近くでメニューがカレーしか残っていなかったのでそれを食べた。いやいやここはほんと、天空の楽園って感じだね。湿原自体の規模はそれほど大きくはないけど、一度は行ってみる価値があると思いますね。
それから名残惜しくはあったがロープウェイとゴンドラで山を降り、ホテルに停めておいた車まで戻って、帰りもそこそこ渋滞に遭ったけど、上里SAでとんかつを食べ、10時前に家に帰って来た。途中リモートでリビングのエアコンのスイッチは入れておいたものの、家の中が暑い暑い。壁の断熱材にも熱が溜まってしまったのか、エアコンが冷えにくく、消すとすぐに暑くなる、という状態が2日ほど続いた。
いやぁ、やっぱ夏は高地だよね。信州も暑いかもと恐れていたけど、十分避暑になった真夏旅でした。「栂池自然園」で陽に当たってた時間はそれほど長くはなかったのに、おでこや腕がだいぶ日焼けしました。
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