他人に評価されるためにがんばるわけではない、なんて言いながら、他人に評価されて嬉しくないわけなんかないじゃない?これってしかも、自分のことに限らず、なんだよね。自分の応援してた人とか、それよりは客観的に見てずっと希薄なつながりの、同じ日本人、ってだけでも、これだけ誇らしい気持ちにさせてくれる人が、やっぱりスーパースターなんだと思う。
しかもぼくはそのパフォーマンスを生で観ていたわけではないので、まるっきり偉そうなことは言えないんだけど、もう2か月前になるあの浅田真央のフリーの演技は、やっぱすごかったんだなということを、再認識させられたんです先週。
メダルメダルとまわりからさんざん言われ、それが絶望的になった中、あれだけのパーフェクトをやってのけられる精神力。メダルはもちろん取れなかっただけに、あのパフォーマンスがこれだけ心に響くって言うのは、ある意味とてもストイックで日本人的な精神世界なんだけども、逆にあの状況でこれだけ多くの人の心に響かせることを演ってのけられる人が、いったい今我が同朋で何人いるんだろうって思うと、ほんとに希少な、稀有な、貴重な現象だったと思うわけです。
回りくどい言い方してますが、なんで今さらこんなこと言ってるかって言うと、先週の金曜日にテレ朝で「ゴン中山&ザキ山のキリトルTV」って番組をやってたのね。レギュラー番組ではなく、前クールに正月特番としてやったら評判よかったのか、この改変期にも特番としてやることにしたらしい。
これ、録画して翌日、先週のこのブログを書いた後に観たんだけど、つまりいろんなスポーツイベントで、PKを蹴る直前の本田は、日本シリーズ最終戦で最後にまー君への交代を告げた星野監督は、その時なんて言っていたのかを読唇術で読み取ったり、その他にもバンドのライブ演奏で起こったハプニングやら、松岡修造が自分の師匠の指導を勝手に盛って熱く通訳してる場面を切り取ったりって言う、なかなか興味深い企画で。
で、その番組のトリで持ってきたのが、あの真央ちゃんの演技に対して、各国放送局の中継でどんなアナウンスがされていたか、って内容。これがもう、何度観ても泣けるのですよ。ホントに。涙もろくなった中年末期のオヤジであるぼくでなくても、きっと泣いた人は多いと思うんですよ。
このリンクを観てもらえればわかるんだけど、書き抜いておくと・・・
アメリカNBC:今夜、物語の主人公は昨夜の首位キム・ヨナから16位の浅田へと変わりました。おそらくメダルは無理だとわかっていて、その上で今日何をすべきかを考えたでしょう。そして彼女は、彼女が世界最高のスケーターだと証明してくれた。
中国CCTV:「3回転半で勝利したいのではなく、観客を魅了したい。」彼女は今日、自分の言葉を実現した。難しいジャンプに挑み続けるのは、とても険しく孤独だったでしょう。でも神様は、その勤勉さと粘り強さを裏切らない。彼女が涙を流している。私たちも涙がこぼれる。
ロシアNTV:おぉ神様、彼女はもう十分よ。なんという苦しみだったでしょう。彼女が奮い立ったこと、偉大なスポーツマンであること、自分に打ち勝ったということに、ただただありがとう。
韓国MBC:最後のステップでは鳥肌が立った。常にキム・ヨナと競ってきた真央だけど、勝負を忘れ、初めて感動した。
イタリアSKY SPORT:涙を堪えるのが大変だ。ジャッジたちに言いたい。いつだって彼女だけが新たな道を切り拓いている。8度の3回転に挑戦し、全部成功させるなんて、飛び抜けている。メダルがない彼女こそ、本物の女王だ。
ね、泣けないこれ?なんか書き抜いてるだけで泣けてきちゃったよ。日本人的って書いたけど、こういうhonorは得られないとわかっているpatienceさと言うか、がんばり、粘り強さ、精神力みたいなことって、やっぱり世界共通で感動に繋がるんだね、ってことが、なんか嬉しいと言うか、ホッとさせられるよね。
こういう精神性が、人類として共通なんだったら、もしかしたら世界中から戦争を無くすことだってできるかも、って信じる気にもなるよね。ロシア系住民比率がどうだとかってのは、希少な同一民族国である我が国の同朋には、実感として理解しづらいから、なに能天気なこと言ってんじゃ?って言われちゃうのかもしれないけども。
いやしかし、こんなんで泣いてるオレってどうなんだろうと思う一方で、こういう泣けるコンテンツって大歓迎なのよね。以前倉本叔父(脚本家の倉本聰ね。ぼくの父の弟に当たるんですが)が何かに、どんなにがんばってドラマを書いても、スポーツの感動には勝てない、的なことを書いていたけども、ホントにそうなんだろうね。
特に多分前後10年--もしかしたら50年?--くらいの中でもっともエポックメイキングな、今後も何度も振り返られるであろうこういうパフォーマンスはね。作ったものじゃないからね。まんま現実だからね。確かに「北の国から」は、特番シリーズが終わった2002年から今まで、一応忘れられずにいるってことはすごいけども、50年後に語り継がれているかは?でしょ。
そういう意味で、オリンピックみたいな世界のスポーツイベントの中でも最高の舞台があるってことは、あれをそもそも始めた古代ギリシャの皆さまにそんな先見性があったとは思えないけども、すごいことだよね。例えば直木賞とか、ベネチア国際映画祭とか、グラミー賞だアカデミー賞だってさえ、あそこまでではないじゃん?
すごいよなぁ。しかもそれが、プロじゃないから、本人の稼ぎとか経済的な豊かさとは直接的には無縁だってこともすごい。と余計なことまで考えてしまいます。
さてさて、今週のことを記録として書いておくと、あるDVDを借りに、たまたまTカードを持っておらず一度家に帰ってから車で出かけたら、近所の何でもない交差点で一時停止違反を取られて罰金くらったこと(ちっくしょー!)、あとネットで買い物2つ、シャチハタとまた小型のBluetoothイヤフォン、これは来週のネタにしようかな。
そして前に九州旅行の時書いた、熊本にいる、ぼくが幼いころ超かわいがってくれたおばちゃんの旦那様の訃報が、おばちゃん本人からの、遺品の中にぼくの写真があったという封書でもたらされた。おふくろに伝えて、電話したらかなり落ち込んでいたとのことで、その旅行の時の熊本城に行った写真を絵葉書にして、励ましの言葉を書いて送った。手書きで年賀状以外のはがき--いや封書も含めて--を出したのなんて何十年ぶりのことだろう。おばちゃん、元気出してね。
※冒頭の写真はコチラのサイトから拝借しました。
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