今日カーナビが立ち上がり際、「7月18日、頭髪の日です」と言った。調べてみると、全国理容環境衛生同業組合連合会が78年に定めた語呂合わせで、毎月18日をそう呼ぶことにしたらしい。一方で毎年10月20日も「頭髪の日」と呼ばれているらしく、こちらは日本毛髪科学協会が制定したんだそうで。
紛らわしいけど、前者は髪を切りに行こうね、ってことで、後者の方が、薄毛に悩む方々にはご利益がありそうだ。って頭髪の日だから毛が生えるってわけじゃないだろうけどね。考えてみればこの日は「健康」で最も御髪がお寒いマキゾエ君の誕生日の1週間前。その前後に生まれた方が禿げやすいってことはないだろうけど、うまくできてるなぁ。
さて、あらかじめお断りしておきますが、なるべくわかりやすく書くことは心がけるものの、今日はドラマーの方以外には何言ってんだかわかんないかもしれません。ドラマーの方でもツインペダルを使ってる人は少数派なので、かなりコアなお話となることをお断りしておきます。
ドラムセットの演者側の足元って、一般の人はあまり見たことがないかもしれないけど、通常は2つのペダルがある。右利きの人であれば、左がハイハット、右がバスドラを鳴らすためのビーターを、踏んで打面に当てるしくみになっているもので、ドラムのペダルっていうと一般にはこれのことを指す。
通常はシングルペダルで、右足で拍子の頭とかでド、ド、って踏むんだけども、ぼくは10年ちょっと前からツインペダルってのを使っている。ドラムペダルの話はずいぶん前に書いた記憶があるけども、通常はハードロック系の人が、昔はツインバスなんてとんでもない大股開きのセットでドコドコと鳴らして迫力を出していたのを、もう少し手軽にできるようにする目的で使われるんだと思う。
ぼくがツインペダルにしたのは、「健康」に何曲かある3連系の曲で、シングルだとドッドタッドドッドタッド(「タ」はスネアの音ね)ってやろうとすると右足ダブルの多用になって、とくに3連裏ダブルの1音目が小さな音になっちゃうのを、ツインペダルだと左足で踏めばちゃんと音が出るジャン、その方がカッコよくね?っていう、単純だけど多分多くのロッカーたちとは違う理由だった。
その後、「ベジタリアンの煩悩」って曲で、3連ではない16分音符のバスドラ3連打のパターンがあって、こいつは大変に苦労した。普通のドラマーにとっては左足っていうのは、通常はハイハットペダルを踏んでいて、オープン時だけちょいと上げる、ってだけの操作なのね。ハイハットはリズムキープのために足だけで踏むことがあるけども、これとて通常は4分音符とか8分音符を拍の頭で踏むだけだ。
なので16分裏のタイミングとかで踏むってことを、ドラムを始めてその頃で既に30年近く経っていたけども、まったくやったことがなくてね。最初はもうボロボロで、「ベジタリアンの煩悩」のレコーディング--「健康」唯一のCDアルバム「健康」の収録曲なので--の時は、なかなかオンタイムで踏めずに、かなりの回数、パンチイン・アウトを繰り返して、ブーランの学校の学生エンジニアの皆さんにご迷惑をおかけした記憶がある。
で、その時に買ったのが、TAMAのHP200TWっていう、16,000円ほどの廉価版のツインペダルで、特に不満もなくライブでも使っていたんだけど、去年から「健康」が、4人編成になってこともあって、ライブの予定が特になくても、平日にコンスタントに練習しようよと、この歳になって前向きなスタンスに切り替わりましてね。
渋谷の金王坂上のスタジオNoahで行うこの練習は、車で機材を持っていくのはやめて、スティックとかドラム叩き用の靴とか、最低限必要なものだけカバンに入れて持っていき、10インチタムとかツインペダルは借りることにしましたと。Noahは良心的で、そういう機材のレンタルはタダなんだよね。
そしたら、借りたツインペダルが、ぼくが使ってるのよりずいぶんと踏みやすいことがわかってですね。何が違うって、説明が難しいんだけども、まず踏み込みが軽く、動きがスムーズでバランスよく踏み込める。安定していてガタつきがない。作りが複雑なのでかなり重いんだけど、その分セッティングとかは楽にできるように工夫されていて、やりやすい。
今週15日のリハでも、なんか少し自分がうまくなったような気になれてね。こいつぁ買うかと。以前にも調べたことがあるので、ちょいと高いのはわかってたんだけど。
Noahで借りたのを、後で電話をかけて聞いてみると、PearlのP-2001という機種らしい。こいつは今はもう売ってなくて、後継のP-2002Cというのが出ている。他にはドラムのハードウェア専業メーカーで、業界でも評価の高いdwというメーカーが出している5000シリーズ、9000シリーズってあたりが、評判がいいらしい。
これはTAMAのを買った時みたいにエイヤでポチッとはしない方がよさそうだなと、東京西部ではたぶん最も品ぞろえの豊富な、イケベ楽器の渋谷のドラムステーションってとこに、さっそくリハの翌日の木曜日に行って、いくつかのペダルを踏ませてもらった。
そしたらね、dwの5000シリーズは、ハードロッカー向けなのか、かなり踏み心地が重いのよね。もっと軽いといわれる9000シリーズは、価格帯が少し上になってしまう。
一方でPearlのP-2002Cは、期待に違わずの踏みやすさ!これの進化形で、回転軸のベアリングをよりスムーズなものにしたという2102というのもあって、値段がちょっと高く設定されているんだけど、こいつも試してみたら、まぁ確かに少しスムーズかもなとは思うものの、気のせいの範囲って感じだったので、やっぱ2002にしますと。
んで価格交渉だ。まぁ今の時代どの店でもネット--いわゆる「ショールーミング」との戦いだと思うけども、楽器屋さんは必ず、楽器のネットショップでは最大の、サウンドハウスと比較されちゃうから、かわいそうだよね。特に直輸入ルートを持っている海外物は、前にチャイナシンバルを買った時も、その値段は全然無理ですって言われていた。
こんだけ試奏させてもらって、ここでは買いません、ってのも申し訳ないので、こちらとしても、同じ値段、税抜36,800円までがんばってよ、って祈るような気持ちで、Pearlは国内製品だから行けるでしょ?って、店頭でついていた値札から約5千円値切ってみたら、なんとOK!(ってあんまり書かない方がいいのかな?)
てことでその場で買って、ちょいと重かったけど付属するセミハードケースで持ち帰ってきた。とりあえずV-Drumsにセットしてみたら、前のペダルとかシングルペダルとかがずらっと並んで、すごいことになってしまった。
このP-2002Cはものすごくいろんな設定ができ、特にペダルの踏み込みを回転軸に伝える「カム」というカタツムリの殻のような形をしたパーツを交換できるのが素晴らしい。このカム、普通だと真円形をしてるんだけど、何種類か付属する他のやつ--芯が中心から偏っている--に変えると、踏み込みはじめは軽く、打面に当たるときにはスピードが速くなって、踏み込みから鳴るまでのタイミングがずれにくくなるという。
昨日、その偏芯カムへの交換をはじめ、もろもろの設定、調整をして、前のTAMAのと踏み比べてみたら、やっぱこりゃ格段に違うな。いい感じ。
そして今日、今回のライブで30年ぶりに復活させる3連の某曲を練習してみた。ああ、こいつはいいわ。これは投資した甲斐があった。う~ん、8月2日のライブが楽しみになってまいりましたぞ。
しかし今日の写真は、スイマセン、V-Drums周り、掃除しなきゃですね。
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