夏休みだー!今年の夏休みはいつもの旅行に加え「健康」ライブもあり盛りだくさん。今日はまず、前半の旅行のレポート--のさらに前編--でございます。
いつものごとく早めに--今年はGW明けすぐという早業--予約を取り、行き先とか旅程の計画を綿密に立てたはずだったのに、今回はいろいろと予想外の事態が起きた。
まず最初に、今回行く、木曽御岳山の関東から見ると向こう側に当たる岐阜県下呂市の、通年営業の温泉街としては日本最高の標高1,800mにあると言うこの濁河(にごりご)温泉の「旅館御岳」に、2日目の昼に食べるお弁当を、宿で用意できるかどうか確認する--なにせコンビニもガソリンスタンドも周囲数キロ圏内にはまったくないという奥地でして--ために、行く前の日に宿に電話をかけたら、なんと2泊目の分の予約が取れてないと言う。
うっそー、まじで?確かになんか電話に出たオヤジが怪しかったんだよねー。今回電話を取ってくれたのは割合しっかりしたお兄さんで、怪しい従業員がいることは認識しているらしく、多分こちらの担当が聞き間違えたんでしょう、部屋は何とかできますから、と言ってくれて一安心。
13日朝は、直前の週末よりはマシだとは言うものの、かなりの渋滞が予想されたので、7時発を目指し、珍しく10分遅れで出発できて、所沢インターまではすごくスムーズに行けたのに、関越の渋滞がこれまた、NEXCOの予想よりはるかに激しい。しまった、これなら下道--最近お気に入りの埼玉県道126号線--を行った方が早かったと後悔したがもう遅い。
それでも中央道から圏央道の渋滞はほぼNEXCOの予想通りで大したことはなかったので、青梅街道から大月に抜ける下道はパスっても、当初予定から30分以内の遅れで、伊那インターから木曽駒ヶ岳の山脈をくぐる権兵衛トンネルを抜け、そのころには残念ながら大雨になっていた開田高原に、13時前には着いた。
のはいいんだけど、今度はこの高原の名物であるそば屋が、最初に食べログで調べておいた「そば処まつば」をものすごい待ち行列だったため断念した後、どこに行っても「本日のそばは終わりました」「閉店しました」の表示だらけだ。まだ昼の1時過ぎだよ?そんなんあり?
朝早かったのでかなり腹が減っており、もうそばじゃなくてもいいからなんか食えるところないかと、今回はスルーする予定だった、9年前の夏に家族で泊まってとてもよかったプチホテル「アピア」の前を通りかかると、なんと昼食のサービスをしていると言う。
行ってみると、もう閉める予定だったんだけどいいですよ、と迎え入れてくれた。前に泊まったことあるんですよ、と言ったら、竹中直人と谷村新司を足して2で割った風貌の、9年前よりだいぶふくよかになられたご主人、憶えてますよ、tacovoさんですよね、とビックリするような記憶力。
顔をちらっと見て、あ、以前来られたお客さんだ、ってわかったんで、お昼を出すことにしたんです、と。ぼくが「アピア」のことをこのブログに書いて、それにどうやって探したのかお礼のコメントを入れてくれたんだけど、そのわずか1回の出会いを憶えている、これぞ接客業の鏡だよね。お子さんお2人でしたよね、お元気ですか、と。
相変わらず話し好きで、あのころはまだ開店したばかりで余裕なかったんだけど、だいぶいろいろわかってきたんで、お昼の営業もはじめたんです、あの頃と同じで安くやらせてもらってるんで、近所の宿からは睨まれてますよ、そば屋はどこも早く閉めちゃうんだけど、あんなもんちょっと工夫すれば何とでもなるのに、なんでそういう努力をしないかね、と、変わらぬ快気炎だ。調べてみると確かに安い。ここは温泉じゃないことが唯一の弱点なんだけど、いずれまた泊まりに来ようかな。
さて、「アピア」でビーフシチューとチキンカレーを頂いてから、木曽街道(国道361号線)を先へ進み、長峰峠という峠を越えたところが、日和田高原だ。ここで2時間ほどの森歩きをする予定で、「望岳の森」と呼ばれる場所の近くに車を停めた。
ハイキングコースがあるのはわかっていたものの、ネット上に情報がものすごく少なく--濁河温泉付近も同様で、 この岐阜県奥地は本当にこの手の情報が取りにくい--、ここに来てみて見つけた看板の情報を元に、このころには少し弱まってはいても雨はまだ降っていたが、まぁ行くかと、長峰峠まで歩いて戻って、そこからハイキング路に入る。
いかんせんの雨降りで、傘をさしての山歩きは、湿気は多いけど気温は22,3度。杉中心だけどところどころに広葉樹の群落があり、これは晴れてたらきれいだろうなぁと思いながら、やっぱり森は気持ちいい。我々夫婦の活力源だ。途中道がわからなくなってGoogle Mapを頼りながら、2時間ほど歩いて車に戻ったら、なんだか紅色の羽をもつ小さな羽虫がいっぱいいたのが、汗と雨でずぶ濡れの背中にたくさん付いており、車のシートに何匹も移ってしまった。
ここから車で15kmほど走ると、濁河温泉に着く。日和田高原も、この濁河温泉も、1,300m~1,800mという標高を生かした高地トレーニングのメッカで、いずれも400mトラックをはじめとしたトレーニング施設が充実しており、ここ「旅館御岳」にも、箱根駅伝にも予選組だが出ている某大学の駅伝チームを始め、この周りの宿も含めて、高校生や大学生の陸上遠距離系と思しき団体が数多く泊っている。
夕方遅い時間や、朝練戻りの8時近くに風呂に入ると、これらの学生がたくさん入っている。宿の通路で会うと「こんにちは」とか声を掛けてくる。 最初に予約を取った時のとぼけたオヤジが、「合宿の学生ばかりですけどいいですか」と言っていたのが実感される。高校生くらいだと風呂で騒いだりしてることもあるけども、別にこっちは特に嫌でもない。活気があって結構なことだ。
この宿はいわゆる「旅館」で、取れた部屋も10畳ほどの和室+縁側みたいな普通の作りだ。でも飯は、いわゆる旅館飯だけどやたらと大量ではなく、飛騨牛のすき焼きとかがついており、なかなかに美味だ。炭酸水素塩泉とのことだが鉄分が多く茶褐色の源泉かけ流しの温泉は、そばを流れる渓流の際まで階段を160段降りていくと言う混浴の「渓谷露天風呂」が6月28日の豪雨で流され使えなくなっているのが残念だけど、内湯も露天風呂も、見事な温度管理も相まって大変に気持ちいい。
そして夜には最上階にある天体望遠鏡のドームとその周りのテラスで星空観察だ。この宿には星空観察のために、途中通ってきた「チャオ御岳スノーリゾート」というスキー場まで連れてってくれて、宿泊者は半額になるゴンドラで頂上駅(標高約2,200m)まで行って星を観るってツアーがあるんだけど、この日は到着が遅くなり、このツアーの出発時間に間に合うように夕食を用意してもらうのが難しかった。
なのでその最上階で、ってことにしたんだけど、望遠鏡で見る木星や火星もさることながら、テラスに出て目が慣れてくると、なんじゃこの満天の星は!夕方まで天気が悪かった--のもあってツアーもすっぱりあきらめた--のに、山の天気は変わりやすい!
天の川なんて久々に観たよ。あと12日がピークのペルセウス座流星群ってやつが、この日の夜も観られるハズってことで、まだ時間的には少し早かったけど、目を凝らしていたら、結構4つ、5つほどの流れ星を観ることができた。願い事なんて言える前に、文字通り"あっと言う間"に消えちゃうんだけどね。
2日目はこの宿の近所を散策することにしていた。この宿の周りにはいくつかの滝と、 行く気はないけどもちろん御岳山への登山口と、その周辺の散策路があるって言うのはわかってたんだけども、ここもまたとにかく情報が少ない。どこかのブロガーが上げてくれていた現地の観光案内の看板--公共温泉の駐車場で実物を発見した--の情報を元に、「緋の滝」「白糸の滝」、この2つは温泉街を登山口まで行く舗装路の脇や、そこから少し歩道を入ったところから見ることができた。ここ数日の雨で水量も多く、なかなかの迫力だ。
ところが3つ目の「仙人滝」に行こうと思ったら、これがいくつめかの予想外だったんだけど、御岳への登山口をちょっと上ったところにあるその滝の、その登山口入口の橋から先が、その入口と少し上の他の登山口からの合流点までの間で、6月28日の豪雨で一部崩落があったってことで、通行止めになっている。
てことは滝も観れないし、そこから左に道が分かれる「自然探勝路」も、行けないじゃないか!仕方ないのでその橋の手前で分かれている初心者向けと言う「原生林遊歩道」の方を歩いていく。朝は一時日も差したりしていたのが、 このころには曇りがちになってしまったのだけど、この森も白樺やダケカンバが多く生えていて美しい。
だけど「原生林遊歩道」は、昨日歩いた日和田高原・望岳の森のハイキングコースの半分くらいしかない。しかもその途中から分かれる、ここも歩く予定だった道が通行止めになっていたり、その「自然探勝路」と合流する地点から逆に辿れないかなと目論んでたのが、そこまで行ってみるとやはり黄色いロープが張ってあって入れなくなってたり--どっちみちこの「自然探勝路」は、もう数年人が歩いてないくらいの感じで草がぼうぼうに生え、立ち入ったら漏れなく遭難できる様相だった--で、この日はこの付近の散策のみ、と決めていた旅程が、午前10時半ごろには早くも潰え去る。
てことでもうだいぶ長くなってるので、旅後半は別途。でも18日はライブだから、その前--ってことは今日これから「健康」のゲネプロに行って帰った後か明日--には後編をアップしますね。しかし後編に書く「至福の午後」がなければ、週間3記事アップなんていう(まだできるかどうかわからないけど)荒業は無理だったな。
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