2週間のご無沙汰です。ネタを捻り出してみたけど、先週は間に合わず、でもおかげさまでしょーもない小ネタも含めてちょっとは思いついたので、今週はそのうち、ハロウィン全く関係なしに、いくつかの映像コンテンツがらみについて。
「鬼滅の刃」の映画、すごいことになってますな。これまでの日本映画の歴代興収1位(308億円)の「千と千尋の神隠し」が興収100億を達成したよりも早く、わずか10日で達成したらしい。
「鬼滅の刃」はぼくも、家籠りになってからAmazon Prime Videoで、TV放送--最初はTokyo MX TVというローカル局でだったんだよね。それもオドロキ--した26話分は観たけども、個人的にはそれほど刺さらなかったけどなぁ。色々分析されてるけど、大正の雰囲気とか鬼とかそういうレトロもしくは童話的恐怖系のシチュエーションに、「なんちゃらの剣」みたいな、ジャンプ得意の技の名前言ってその技を出す、みたいなのが乗っかって、それが受けたってことですかねぇ。
さて、今週で月9「監察医 朝顔2」を除いてほぼ秋の新ドラマが出そろった。やっとほぼコロナ前の放映スケジュールに戻ったわけだけども、今クールは楽しみな作品がいくつかあって個人的にはなかなか嬉しい。
1つは少し前--特にオロナミンCのCMの「スマイル」あたり--から、いよいよ来たねぇ、やっぱねぇ、と思っていた、森七菜ちゃん主演の「この恋あたためますか」。TBS火曜10時が胸キュンドラマ枠としてブランド確立されてきた中、これまでのところはそれほど胸キュン展開はないけども、これからそうなっていくとなると、期待できるよね。
「逃げ恥」のガッキーも、「恋つづ」の上白石萌音も、がんばりやさんではあるものの際立った能力を持ったヒロインではなかったけど、今回の「恋あた」は、実在し業界から恐れられていたと言う、SNS上の謎のコンビニスイーツ・スーパー批評家をモチーフにしていて、そういう能力を生かしたヒロインの今後の活躍というのも楽しみだ。
森七菜ちゃんは以前最後にちょこっとだけ書いた、岩井俊二監督久々の作品「ラストレター」でも、広瀬すずの妹と主人公松たか子の高校時代という重要な二役を演じており、撮影時点ではこの映画がほぼ初めてのメジャー作品だったらしいけども、とてもキュートで自然な演技をしていた。「ラストレター」のプロデューサーは、15歳の広瀬すずを見た時以来の衝撃を受けたと評したらしい。「天気の子」のヒロイン役も本当にナチュラルだった。
今回のドラマは、シチュエーションは同じコンビニだけど、BLをテーマにした漫画とタイトルがほぼ同じなことに対し、TBSがオリジナルだと言ってるのはパクリ疑惑があるとか、またネットの「穿った見方好き」たちがごちゃごちゃ言ってるようだけども--そんな権利関係の処理なんて、ちゃんとやってるに決まってるじゃん。プロなんだからさ--、素直に今後に期待したいものだ。
そしてもう1つはこれもTBSの、あの「半沢直樹」の後に始まった吉高由里子主演の「危険なビーナス」。これ、偶然なんだけどつい2ヶ月ほど前に、長ーい図書館の予約待ちを突破して、東野圭吾の原作を読んだばかりだったんだよね。
なのである程度展開がわかっちゃってるんだけども、ぼくは吉高由里子ちゃんもかなり好きな女優さんでしてね。このドラマは彼女を筆頭に、原作のイメージにとても近い人が選ばれているキャスティングがよい。特に動物病院の受付の蔭山さんを中村アンが演じると言うのは、まさにイメージ通り。
ちなみに昨日公開された小栗旬、星野源ダブル主演の映画「罪の声」、これも偶然にもつい2~3ヶ月前に原作を読んでましてね。東野圭吾は新しい本が文庫化されれば基本的に借りて読んでるけど、こっちは塩田武士さんと言うそれほどメジャーでない作家さんで、これはなにをきっかけに読もうと思ったんだっけな?あ、「このミステリーがすごい」の2017年版の第7位に入ってたのか。グリコ森永事件をモチーフにしたこの小説は、かなり面白かった記憶がある。映画館に行く気までにはならないけど、いずれBD化されたら観よっと。
話を戻すけど、その他にも今クールは今週始まった火曜9時の有村架純主演の「姉ちゃんの恋人」もいいし、木曜9時の「7人の秘書」も、ちょっと話が単純すぎるきらいはあるが今後期待ができそうだ。「ルパンの娘」「監察医 朝顔」のセカンドシリーズもの--フジはテレ朝のシリーズ化高視聴率戦略をマネしてるんですかね--も、どちらも割と好きだった作品なのも嬉しい。
ちなみに初回の視聴率ランキングで言うと、1位はダントツで「相棒」(強いねぇ)、2位が「危険なビーナス」、3位が「7人の秘書」。相変わらずテレ朝が強いってのもさることながら、3位がちょっとびっくりだ。木曜9時枠は、「緊急取調室」とか「BG-身辺警護人」とか、ちょいワル系勧善懲悪ものブランディングで行くことにしたんですかね。特に今回の「7人の秘書」は話がわかりやすいし。それが成功したのか、「ドクターX」のお化け視聴率を、うまいこと引き継いだ感じだよね。
「恋あた」の初回は7位。まぁでも2回目の視聴率の初回からの下がり方は、他と較べて小さいからね。がんばって欲しいなぁ。
さてさて、9月半ばから新展開が再開して、それに気づいてなかったために、このところメシ時に録画した奴をまとめて2~3話ずつ観ている、森七菜ちゃんも出ている朝ドラ「エール」だけども、朝ドラは近世の何がしか名を残した実在の人物をモチーフにすることが多いから、必然的に戦争の描写がほぼ毎回ある。
これがちょっと気になってましてね。というのは、どうも主人公もしくはヒロイン、あるいは周りの登場人物が、必ず反戦もしくは厭戦スタンスなんだよね。こういうところが歴史系TVドラマの難しさなんだろうと思うんだけど、現代人の感覚では、そうでないと共感できないからそうせざるを得ないってことなんだろうね。
実際にその時代の共通した価値観では、もちろん確かに死にたくないから醤油飲んで病気のフリしようとか言う人もいただろうし、もし夫を戦争で失っちゃったら、って思いはあったとしても、赤紙が来ればそれは名誉なこと、というのが当たり前で、少なくとも表面上は「おめでとうございます」以外ありえなかったはずだよね。あの婦人会トップのおばちゃんのスタンスが一般的で、ほとんどの人がああだったはず。
もっと時代を遡って大河ドラマでもそうなんだけど、市井の踊り子や薬屋の娘が、将軍や関白に民衆の苦境を訴えて、将軍もそれに共感して、なんて、そもそも彼らがそんな雲の上の人に簡単に会えたはずはないし、当時の為政者は一般大衆のことなんてそんなに慮ってはいなかったはずだ。百歩譲って戦争のない世の中にしたい、って思いは多少なりともあったとしてもね。
もっともぼく自身も、これらを本当に当時の感性に忠実に作られたら、それはそれで大変に殺伐としたものを見せられた気分になるだろうから、そうしろってことではないんだけども、そういう、現代とはまったく異なる価値観に立った見方もできる人でありたいし、そういう柔軟な感覚を失ってはいけないと思うんだよね。
ぼくらの親の世代ってのは--「エール」の主人公夫婦の娘、華ちゃんが、まさにウチのお袋と同い年なんだけど--、そういう全く違った価値観の世界に生きていた人だし、そこから戦後を迎えて、周りの大人たちがなんだかまるで違うことを言い始めたぞ、ってなって、全然異なる価値観を獲得していく、という希少な体験をしてきた人たちだ。
日本では戦争を体験した人がもう数少なくなってきてしまったけど、戦争の恐ろしさって言うのは、実際に空襲に遭ったり、機銃掃射が自分の体のすぐ横を通ったとかもそうだけども、戦争が身近にありそれに協力することが当たり前という価値観が普通だったと言う事実の方が大きいと思うんだよね。だからそういう体験を語り継ぐことができなくなったとしても、そういう価値観に柔軟な感性を持っていれば、戦争はあってはならないことだと言う思いは失われないと思うんだよね。
なんかドラマで戦争がらみの描写があるたびそんなことを思ってしまうので、書いておきました。
関係ないけど映像つながりってことで、空耳アワー、半年ぶりにやっと復活しましたなぁ。いやぁ嬉しい限りで。あの名作「パン」「茶」「宿直」は、もはや20年以上前、なんと90年代の作品だったんですね。オドロキ。新作もまぁまぁ結構な出来。見逃した方、来週も引き続き空耳復活特集なので、楽しみにしててください。
さてさてさて、明日は、今年初めて、遠出でもないけどちょっと足を延ばして紅葉を見に行く予定です。今年は10月の平均気温が高く、全体に紅葉が遅れ気味らしくて、当初伊香保に行こうと思っていたのを、急遽行き先変更したんですけどね。
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