さて、ウチには約800本のカセットテープがある。90年代になって、DATだのMDだのという新しい媒体が出て、さらにはCDコピーがカンタンにできるようになってきたけど、昔は音楽を保管しておくにはこれしか手がなかったので、それまではずっとカセットテープに録音をしていた。
で、ここが三つ子の魂と言うべきか、律儀なぼくは、子供の頃からカセットの背表紙に、通し番号を打ってたんだよね。最初は手書きで、そのうちワープロ打ちで、番号とタイトルが記されている。時系列で追いかけるには、これが参考になるってことなんだけど、栄えあるNo1のカセットは、DeepPurpleの「24Carat」というベストアルバム。今でも字はそんなにきれいに書けないけど、当時のすっごい金釘流で曲名が書いてあるのが、思えば貴重な記録だね。
そう、Doobieを聴いて理解ができなかったぼくは、次に、小学校以来の友人であるアブちゃんの影響を受けて、一気にハードロックの世界へ入り、DeepPurpleの全アルバムを、順番に聴いていった。最初に--つまりDoobieの「The Captain And Me」の次に--買ったアルバムは「Fire Ball」。実は正直、当時あまりピンと来なかったんだけど、背伸びして何枚も聴いていくウチに、だんだんはまっていったんだよね。
「Fire Ball」は有名な"Smoke On The Water"や"Highway Star"が入っていた「Machine Head」の1つ前のアルバム。つまりぼくは、彼らの第2期と言われる頃の黄金時代をリアルタイムで体験していたんだな。
その後高校に入ってドラムを始めて、最初にコピーしたのが忘れもしない、第3期の最初の大ヒット曲、"Burn"だったな。思えば無茶したもんだ。左利きのドラマー、Ian Paiceは、ドラムセットを完全に通常と左右逆にセッティングするんだけど、これがまたカッコよかったんだよね。その彼が、全編ソロみたいに叩きまくった"Burn"を、当時ホントに必死でコピーしたな。あれがぼくのバンド人生の始まりだった。
で、第2期って言うのは正当派ハードロックってカンジだったんだけど、その前の第1期の時代、彼らはもう少しひねくれた、多少プログレっぽい音楽をやっていた。その時期がぼくは割合好きで、特にその時のボーカル、Rod Evansが脱退後に作ったバンド、Captain Beyondの、「Captain Beyond」っていうアルバム、これはもう知る人ぞ知るカンジだけど、このアルバムがすっごいいいんだよね。
ハードロックなんだけど、全編組曲のような作りで、プログレっぽい面も持つ。ハードロックのアルバムでは、ぼくはいまだにこれが一番好きかも知れない。(ちなみにこのAmazonにあったジャケットは、当時ぼくが入手したものとは、絵は同じだけど色が違うな。もっとグレーでスッキリしていた。リメイクの時変えて出したんだね)
一方、既にハードロック狂になっていたアブちゃんは、Led Zeppelinに傾倒していた。ぼくも有名な"天国への階段"が入った「Ⅳ」をはじめ、何枚かのアルバムを借りて聴いたけど、個人的には正直ついていけなかったな。いやもちろん、"天国への階段"は、当時全てのギター小僧がコピーしたあのJimmy Pageのソロといい、本当に名曲だと思うけどね。
当時アブちゃんと一緒に、彼らの映画「永遠の詩」を見に行った記憶があるけど、John Bonhamは、手でドラムソロやったりして、すごいとは思ったけど、やっぱIan Paiceの方が当時のぼくにはピンと来た。今聴くと、例えば"移民の歌"なんて、すっごいノリだけどね。絶対コピーできない。天才度で言えばJohn Bonhamの方が上だったろうね。
でもこれ、中学の時の話のハズだから、ぼくは中学の時から、ドラムをやりたいって思ってたんだね。今にして思えば。
ぼくは割合メロディアスな楽曲が、今でもそうだけど好きだった。あとクラシックの影響を受けたような曲が好きで、だからDeep Purpleの第1期が好きだったんだと思うけど、ロックだとこの後、Mott The Hoopleが好きになり、またCamelなどのプログレ系に進んでいった。
でもこの頃PurpleとかZeppelinを聴いたのが、ぼくの音楽活動の原点なんだろうな。
さて、この後好きだったバンドは多様化していくので、カセットテープの番号見ても、聴いた順番を追いかけるのは不可能だ。って言うか、そうか、さっきウソ書いたけど、番号をつけ始めたのは、高校に入ってからだったな。その時、昔から持ってたカセットには大体こんなもんだろう、ってことで番号つけた記憶がある。なので中学の頃聴いた曲の順番は、実はわからないんだった。早くも挫折して、好きだったバンドやミュージシャンを順番に紹介していくことになりそうだな。
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